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On the Production
by 井口健二
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■マネーボール、グリー/コンサート、恋谷橋、ステイ・フレンズ、天使突抜六丁目、新少林寺、ファイナル・デッドブリッジ、クロサワ映画
柄が見習いシェフで、パリに修業に行くという辺りで…オヤ
オヤ?と思っていたら、その思い通りの展開になったのには
長年のファンとして満足した。
ただ、雰囲気的には、これで完結…?のようにも取れるが、
ファンとしては本作で示唆された死に対する対抗勢力のよう
な存在を描く、新たな展開も期待したいものだ。
『クロサワ映画2011』
女性お笑い芸人「森三中」の黒沢かずこが単独主演している
ラヴコメディ?
題名に「2011」と振られているのは、すでに2010年にも同様
の作品があったのだそうで、その評判によって作られた作品
とのこと。第2回沖縄国際映画祭でグランプリを獲得したと
いう前作の脚本=石原健次と演出=渡辺琢が再び本作を手掛
けている。
物語は、2010年クリスマスのイヴ々々の日、黒沢と椿鬼奴、
光浦靖子、大久保佳代子の独身女芸人4人組は、誰かとクリ
スマスを過ごす当てもないままゲイバーで騒いでいた。そし
て2次会に向かった黒沢と大久保は、そこで運命の出会いに
遭遇する。
それは、別の客とのトラブルになり掛かった2人の窮地を、
2人の韓国人の若者が救ったのだ。その2人に対して大久保
が積極果敢にアタックし、大久保は日本語は話せないが東京
に住む若者を獲得、黒沢は日本語を話せるが韓国在住の若者
と親しくなる。
しかしそのまま若者を自宅に連れて行った大久保に対して、
黒沢はメルアドも交換できないまま出会いは終ってしまう。
ところがその翌日、韓国ロケに参加した黒沢に運命の女神が
微笑み始める。
こうして大久保と黒沢に恋の日々が始まるのだが…。これに
椿の初恋の人との再会の話を加えて物語は進行して行く。そ
こに、ロケ取材という設定の黒沢による韓国レポートなども
垣間見られるという展開の作品だ。
とは言っても、主演しているのはお笑い芸人。現実とは異な
るこの話をどうやって落とすのかが気になり始めるところだ
が、これがなかなか落としに掛からない。そして漸く落ちた
ところは、まあこんなものかなあと言う結末だった。
因に本作も、先の第3回沖縄国際映画祭で特別に作られた賞
を受賞したそうだが、元々本作の製作は吉本興行とフジテレ
ビ。沖縄国際映画祭は吉本の影響力も強そうだから、そんな
ものかなあというところだ。
共演は、HNKが2010年から放送しているドラマ『祝女』で
誕生した韓流スーパーグループ「無限男子」のコン・テユと
イ・テガン。若い女性にはこの2人の出演も鑑賞の動機付け
になるのかな。
出演者も脚本も監督も、全てテレビ界の人材で、作品の出来
もそのレヴェル。でもまあ話題性はありそうだから、それで
映画館が賑わえば宜しいかな…そんな感じの作品だ。
09月18日(日)
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