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On the Production
by 井口健二
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■50/50、家族の庭、牙狼、スパイキッズ4D、フェア・ゲーム、スクリーム4、第7鉱区、私だけのハッピー・エンディング+Lone Renger
ホ、さらに『光州5・18』に出演のベテラン俳優アン・ソ
ンギ。
物語の全体の流れは、『エイリアン』あるいはその元になっ
た『遊星よりの物体X』とほとんど同じで、舞台が海上の油
田採掘基地になっているだけという程度のもの。でもまあこ
れは定番中の定番になってしまったから、その流れの作品と
いう感じのものだ。
ただし本作の場合は、怪物側の目的が明確でなく、ただ食料
のためなのか、その辺で物語に広がりが欠ける感じがした。
特に父親の事故死には伏線としての意味も欲しかったところ
で、人間側のドラマがもっと描かれるべき作品のようにも感
じられた。

『私だけのハッピー・エンディング』
              “A Little Bit of Heaven”
2003年6月紹介『10日間で男を上手にフル方法』などのケイ
ト・ハドスンと、2002年6月紹介『天国の口、終りの楽園』
などのガエル・ガルシア・ベルナルの共演で、人生の最後の
時を過ごす人の姿を描いた作品。
主人公は、広告業界でバリバリの実績を誇る30歳のキャリア
ウーマン。今日も新たなクライアントを獲得するなど仕事も
順風満帆で、恋に遊びに人生を謳歌している。そのためには
セックスは大好きだが、結婚はまだ考えられない。
そんな彼女がふと身体の変調を覚え医師の診断を受けた結果
は、末期の大腸ガンだった。それは大腸中に広がってもはや
手術もできない。後は抗ガン剤治療で余命を少しでも伸ばす
しか、手の施しようもない状態だった。
そんな彼女の告白に、周囲の友人たちは嘆き悲しみ、別居中
の両親もそれぞれ彼女のためにできることを考えてくれるの
だが、そんな周囲の存在はうれしくもあるが、同時に煩わし
くも感じてしまう。
そんな中で彼女は、町のバーで自分の主治医の姿を見付け、
彼と飲み歩いて楽しいときを過ごすのだったが、病院では医
師と患者の交際は御法度だった。それでも彼のことが忘れら
れない主人公は…
先に『50/50』を紹介したばかりだが、アメリカでこのよう
な作品はブームになり掛けているのかな。まあ日本でもよく
似た作品はあったようだが、人間はいつか死ぬわけで、その
日に向かって如何に今を生きて行くか、それが本作の最大の
テーマになっている。
そんな前向きな主人公の姿が、それは涙でスクリーンが観え
なくなるようなシーンはあっても、全体としては爽やかな作
品に仕上げられている感じがした。そう言えばベルナルは、
『天国の口…』でも結果として同じような役柄だったことを
思い出した。
ただ、映画の中で主人公には宗教などは知らないと言わせて
おきながら、結局神様を出す辺りはハリウッド映画を感じさ
せもしたが。
共演は、ウーピー・ゴールドバーグ、キャシー・ベイツ。両
オスカー受賞女優が見事な存在感を見せてくれる。他に、ア
メリカでは今年6月公開“Bad Teacher”などのルーシー・
パンチ、今年8月紹介『カンパニー・メン』などのローズマ
リー・ドウィットらが脇を固めている。
        *         *
 最後に8月14日付で報告した“The Lone Renger”の映画
化に関し、再度ディズニーから製作続行の発表が行われた。
 これはヴァビンスキー監督側から、当初2億5000万ドルと
された製作費について、2億ドルから2億1500万ドルの範囲
に納めるという削減案が出されたためで、これにディズニー
側もOKしたようだ。撮影は11月に開始され、来年12月21日
の全米公開が予定されている。

09月11日(日)
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