ID:47635
On the Production
by 井口健二
[460157hit]

■ラルゴ・ウィンチ、海と自転車と…、スマーフ、MADE IN JAPAN、やがて来たる者へ、リミットレス、Capt.アメリカ、カウボーイ&エイリアン
さらに、2009年10月紹介『ジュリー&ジュリア』などのスタ
ンリー・トゥッチ、『ハリー・ポッター』の屋敷妖精ドビー
の声優でも知られるトビー・ジョーンズ、、2009年2月紹介
『ストリート・ファイター』などのニール・マクドノーらが
脇を固めている。
なお、“The Avengers”との繋がりの部分では各シリーズの
主演俳優たちの多くも登場している。
描かれる時代背景の点では、日本がナチスドイツと一緒にな
ってアメリカと戦争をしていたことも知らない最近の若者の
反応が気になるが、『ジュラシック・パークV』なども手掛
けたジョー・ジョンストン監督のアクション演出はそれだけ
でも充分に楽しめるのになっている。

『カウボーイ&エイリアン』“Cowboys & Aliens”
現007のダニエル・クレイグと、インディ・ジョーンズ=
ハリスン・フォード共演で、1873年のアリゾナを舞台にした
VFXアクション作品。
クレイグが演じるのは、銃も持たずに荒野の真中で目覚めた
記憶喪失の男。ところがこの男、襲ってきた3人組のガンマ
ンをあっと言う間に倒すなど、滅法腕が立つ上に容赦も知ら
ないようだ。しかも腕には何やら怪しげな金属の腕輪が填め
られている。
そんな男が現れたのは、フォード扮する元は南北戦争の勇者
だった横暴な牧場主に牛耳られた町。そこで男は懸賞付きの
お尋ね者だったことが判り、逮捕されて連邦保安官の許に送
られることになるが…
そこに突然何者かが空から襲い掛かり、保安官と牧場主の息
子を含む町の住人たちが連れ去られてしまう。しかし男の腕
輪が反応して襲ってきた奴らの1機を撃墜、これを見た牧場
主は息子奪還のため男に協力を求める。
こうして男と牧場主は、男につきまとう謎めいた女、牧場主
の忠実な部下のインディアン、保安官の孫の少年らと共に、
インディアンが辿る撃墜機から脱出した奴の足跡を追って荒
野へと向かって行く。
映画の雰囲気は完全に西部劇。イギリス人のクレイグも事前
にかなりの本数の西部劇を見て役作りをしたとのことで、そ
れは完璧なものだ。そこに何故かエイリアンが現れる。しか
し西部劇の部分がしっかりしているから、何か判らないまま
危機に立ち向かう主人公たちの戸惑いも、そこには見事に表
わされている感じがした。
通常この種の作品では、パロディにしてしまうのがお手軽と
言える。しかしこの映画の制作者たちは、西部劇的ユーモア
は随所に見せるものの、全体は完全に西部劇として物語を描
き切っている。しかも西部の荒くれ者からインディアンまで
が見事に物語を彩る。
監督は、『アイアンマン』のジョン・ファブロー。極めて高
いバランス感覚の求められる作品を見事に演出している。ま
た、2006年プラティナム・スタジオ出版の原作グラフィック
・ノヴェルからの脚色には、2005年7月紹介『アイランド』
のロベルト・オーチー、アレックス・カーツマンら5人が関
るなど、こちらも周到に準備されたようだ。
共演は、『トロン:レガシー』のオリヴィア・ワイルド。他
に、サム・ロックウェル、アダム・ビーチ、ポール・ダノ、
ノア・リンガー、キース・キャラダイン、そしてデュークの
孫甥のブレンダン・ウェインなど、こちらも味わいのある顔
触れが揃っている。
なお撮影に、1969年『明日に向かって撃て』などが撮影され
たBonanza Creek Ranchと、2009年6月紹介『3時10分、
決断のとき』などが撮影されたGhost Ranchが使われている
のも話題になりそうだ。
また映画の製作には、パラマウントの他に、ドリームワーク
ス、ユニヴァーサル、イマジンなどが名を連ねており、それ
らのロゴが順番に登場する巻頭は壮観だった。

08月21日(日)
[1]過去を読む
[2]未来を読む
[3]目次へ

[4]エンピツに戻る