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On the Production
by 井口健二
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■ジョン・レノンNY、天国からのエール、トランスフォーマーズ/DSM、こち亀、ピラニア、一命、この愛のために撃て+Akira/Godzilla
者が何者かに襲われる。
しかしその場は彼の施した応急処置で負傷者の命は救われる
のだが、今度は帰宅した彼が襲われ、気が付いた時には妻の
姿はなく、置かれていた携帯電話に「警察には知らせるな。
妻を救いたければ、病棟の負傷者を外に連れ出せ」との指示
が届く。
こうして警察に助けを求めることもできない主人公は、警備
の目を潜って負傷者を病院から連れ出すが、負傷者の仲間と
彼らを襲う謎の男たち、さらに警察の内部にも殺人課とそれ
に対抗する捜査班などがいて、三つ巴、四つ巴の戦いが繰り
広げられる。
そして彼の目の前では次々に人殺しも実行され…。そんな中
で、負傷者を連れ出したために彼自身も容疑者とされた主人
公は、果たして身重の妻を救出し、自分の嫌疑も晴らすこと
ができるのか…?
監督の前作では何年にも亙る周到な計画を描いたが、本作の
時間経過は数時間。しかも主人公は完全な巻き込まれ型で、
右往左往しながらもその時々の判断で難局を乗り越える。そ
こはまあ偶然による所もありはするが、全体は一気呵成に物
語が展開する作品だ。
それにしても演出と編集の切れ味は抜群で、1時間25分の上
映時間の中に、見事に凝縮された物語が展開される。さらに
パリの地下鉄駅の雑踏や、街中での逃走劇などライヴ感も抜
群の作品だった。
出演は、2007年7月紹介『ナルコ』では脚本監督も手掛けた
ジル・ルルーシュ、昨年6月紹介『ゴー・ファースト』など
のロシュディ・ゼム、2009年10月に紹介『ジャック・メスリ
ーヌPart 2』などのジェラール・ランヴァン、同『Part 1』
などのエレナ・アナヤ。
また音楽は、『すべて彼女のために』も担当し、2005年2月
紹介『コンスタンティン』などハリウッド映画や、6月紹介
『シャンハイ』なども担当しているドイツ出身のクラウス・
バデルトが手掛けている。
* *
今回の製作ニュースは日本映画からのハリウッドリメイク
の話題を2つ紹介する。
まずは、2002年11月1日付第26回と、2008年3月1日付の
第154回でも紹介した、ワーナーが進めている大友克洋原作
“Akira”の実写リメイクに、今年4月紹介『アンノウン』
を手掛けたジャウム・コレット=セラ監督の起用が発表され
た。そして脚本には“Harry Potter”シリーズ8作品中7本
を担当したスティーヴ・クローヴスによる素案が採用され、
待望の作品がいよいよ実現となりそうだ。
因にこの計画の監督には、一時は昨年4月紹介『ザ・ウォ
ーカー』のヒューズ兄弟の名前なども挙がっていたが、製作
費3000万ドルで1億3000万ドル稼ぎ出した『アンノウン』の
監督が信頼されたようだ。なお、レオナルド・ディカプリオ
が製作を務める本作の製作費には9000万ドルが計上されてい
るそうだ。
一方、同じくワーナーが進めている“Godzilla”のreboot
には、6月紹介『モンスターズ』のギャレス・エドワーズ監
督の起用が発表されているが、その脚本に、クリス・ノーラ
ンと共に『バットマン』『スーパーマン』のrebootを手掛け
たデイヴィッド・S・ゴイヤーの参加が噂されている。
因に、本計画の脚本は2009年7月紹介『ホースメン』など
のデイヴィッド・キャラハンが第1稿を執筆しているが、ゴ
イヤーの参加によってどの様な物語が構築されるか、これも
楽しみになってきた。
なお今回報告した2作品の公開時期は、何れも公式には未
発表だが、“Akira”は2013年、“Godzilla”は2014年夏の
旗艦作品として期待されているようだ。
07月17日(日)
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