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On the Production
by 井口健二
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■ミケランジェロ…、ゴーストライター、マーガレットと…、エクソシズム、レイン…アサシン、プリースト、デビルクエスト、死の秘宝Pt2
共演は、2008年9月紹介『ヘルボーイ』などのロン・パール
マン、今年1月紹介『アメイジング・グレイス』に出ていた
スティーヴン・キャンベル・ムーア、主にテレビで活躍の新
進女優クレア・フォイ、そしてクリストファー・リーらが脇
を固めている。
なお本作は、2005年に“Threshold”というSFシリーズを
手掛けているブラギ・F・シャットのオリジナル脚本による
ものだが、脚本家は現在はブラム・ストーカーの原作を映画
化する“The Last Voyage of Demeter”の脚色に取り組んで
いるそうだ。
『ハリー・ポッターと死の秘宝 Part2』
“Harry Potter and the Deathly Hallows: Part 2”
2001年11月紹介『ハリー・ポッターと賢者の石』でスタート
し、10年間で8本の作品を生んだ映画シリーズがついに完結
した。で、それを観終えた現在の感想は、まあ作る方も観る
方も良く頑張った…という感じかな。
原作本も映画化も全作がベストセラー、大ヒット作だから、
シリーズは続いて当然ではあったが、特に映画化は、そのク
オリティを最後まで保ったのは立派なことだ。それに出演者
のほとんどが、止む終えない事情は別として最後まで一貫さ
れたのも立派と言える。
その最後の1本は、原作本の最終巻の後半。実は昨年末に公
開されたPart 1で物語のほとんどは終りにされていて、後半
は正にシリーズのクライマックスとなるホグワーツ魔法学校
を巡る攻防戦と、ハリーとヴォルデモートの一騎討ちが描か
れる。
それはもはや物語の展開と言うよりは単に雌雄を決するため
の戦い。このため、映画ではその他のものはほとんど描かれ
ていないが、そこにいくつかの重要な謎解きが配されている
のは、これも見事な構成と言えるものだ。
実は僕が原作本を読んだのは4年前になるから、細かい点は
良く憶えていなかったし、原作を読んでいた人の中にも挫折
した人は多いと聞くが、本作の映画化はそういう人にも判り
易く、全体の流れさえ判っていれば充分に楽しめるように作
られている。謎解きも、多分本作だけで充分に理解できるだ
ろう。
そして映画では、魔法戦争の様子を実に見事に映像化してい
ているもので、その映像を観るだけでも堪能できるし、その
結末にはカタルシスも感じられた。
脚本は、第5作の『不死鳥の騎士団』以外の全てを担当した
スティーヴ・クローヴス、監督は、その第5作以降の全てを
担当したデイヴィッド・イェーツ。
出演者は、ほとんどが前作と同じだが、唯一新登場のダンブ
ルドアの弟アバーフォース役には、2月紹介『ザ・ライト』
に出ていたキアラン・ハインズが扮している。彼は、ディズ
ニーが来年公開する“John Carter”と、ニコラス・ケイジ
主演で来年公開予定の“Ghost Rider”の続編にも出演して
いるそうだ。
なお上映時間は2時間10分で、シリーズ最短だった『不死鳥
の騎士団』の2時間18分よりさらに短いが、本来の物語は、
Part 1で語り終えているから、戦いに特化したということで
はこの辺が適当なのだろう。
また本作では、2Dからの3D化が行われているものだが、
上映時間は3Dで観るのには適当な長さとも言える。さらに
3D化に違和感は余り感じなかったから、半年待った甲斐は
あったとも言えそうだ。
(本作は公開期日が迫っているため、順番を入れ替えて掲載
しました)
07月10日(日)
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