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On the Production
by 井口健二
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■エンディングノート、デビル、カンフー・パンダ2、朱花の月、ナッシュビル、グリーン・ランタン、ワイルド・スピード5+訃報
そして本作からは、新たにドウェイン・ジョンスンと、スペ
イン語圏では20本以上の出演作があるという女優のエルサ・
パタキーが新登場している。ここにミシェル・ロドリゲスの
名前がないのは残念だが、それは仕方のないところだ。
脚本と監督は、共に第3作以降を支えるクリス・モーガンと
ジャスティン・リン。因に監督のリンには、アーノルド・シ
ュワルツェネッガーの出演が期待される“Terminator 5”へ
の起用も発表されている。
なお本作は、先に公開された全米で大ヒットを記録してさら
に続編への期待が高まっているが、実は本作のエンディング
ロールの中では、その展開も少しだけ紹介されているので、
くれぐれも席を立たないように。
その次回作“Fast & Furious 6”の全米公開は、2013年5月
24日からとの発表が先日行われた。
* *
訃報
怪獣映画研究の第1人者であり、個人的には長く友人とし
て付き合わせて貰った竹内博君が亡くなった。2年ほど前か
ら入院して病気はその後も進行したのだろうが、一昨年12月
に会ったのが顔を見た最後だった。
互いに故大伴昌司氏の弟子という立場だった彼と僕だった
が、実は大伴氏の生前は顔を会わせたことはなく、初対面は
氏の告別式の時だったと思う。突然少年が僕の前に現れて挨
拶をされたが、思えば彼はまだ10代半ばの頃で、その割りに
は礼儀正しく丁寧な挨拶だった記憶がある。
ただし大伴氏からは生前に一度だけ、「井口君は怪獣に余
り興味が無いようだから、そちらの方面をやってくれる若い
人に手伝って貰うことにした」という話を聞かされたことが
あり、多分それが彼のことだったのだろう。
そんな彼は大伴氏の伝もあって円谷プロに入り怪獣作品の
プランナーとしても活躍して行くことになるが、現実的には
大伴氏という後ろ楯もなしにそれを行った彼の努力も計り知
れないものだ。
その頃には僕も何度か円谷プロの片隅に在った彼の住まい
を訪ねたりもし、さらに映写室での鑑賞会などの案内も受け
て、親交も深まっていった。そして彼が怪獣倶楽部を立上げ
たときには、先輩として参加させても貰った。その怪獣倶楽
部では、彼は若い人たちの纏め役としても良い仕事をしてく
れた。
その後の彼は、『ゴジラ』→香山滋、『海底軍艦』→押川
春浪、そして海野十三など日本の古典SF研究の一角も担っ
て行くことになるが、それは目先の動きに左右されず、過去
しっかり見つめた素晴らしい仕事であった。そしてその間も
常に僕に対しては先輩として付き合ってくれたことも、彼な
らではの心遣いであったと思う。
僕自身にとっては、彼を含めてこれで自分より若い仲間を
4人先に失ったことになる。彼らは何れも大きな業績を残し
逝った人たちだが、年上の僕からすれば皆、この世を去るの
が早すぎた人たちだ。今生きていればより大きな業績を残せ
たはずだし、さらに未来にも多くを成しえた人たちだ。
そんな彼らが早く去ったことが悔しいし寂しい。それに何
より彼らともっと話していたかった。竹内君と、そして彼ら
の冥福を祈る。
07月03日(日)
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