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On the Production
by 井口健二
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■ヒマラヤ、復讐捜査線、リメンバー・ミー、あぜみちジャンピンッ、幸せのパズル、赤い珊瑚礁、ワン・ヴォイス+Rendezvous With Rama
象に1887年設立された。
ところがその翌年には、同校でのハワイ語教育が禁止され、
1896年にはその他の学校でも‘イングリッシュ・オンリー’
という法律でハワイ語教育は禁止されてしまう。そのハワイ
語は、1987年に州の公用語として認められることになるが、
その間の約90年間の歳月はハワイの人々から母国語を奪うこ
とになった。
そんな中でカメハメハ・スクールでは、ハワイ語の復活を目
指す試みとして高校生年代の9〜12学年の生徒たちによるハ
ワイ語の合唱コンテストが90年間続けられてきた。それはそ
の学年の生徒たち全員に参加の義務付けられた全校挙げての
行事で、その模様はテレビやインターネットで中継されて世
界中の人気になっているとのことだ。
そしてコンテストでは、各学年および男声、女声、混声の各
部門で指揮者であるリーダーが選ばれ、そのリーダーの許に
授業時間も短縮しての練習が続けられるが、それと共にリー
ダー自身の思いや、それぞれが背負っているものなども紹介
されて行く。
そこにはハワイ人なのにハワイ語がほとんど喋れない両親の
許に育った生徒や、ハワイ人=下層階級という中でぎりぎり
の生活を続けてきた生徒など、政治や社会の問題も見えてく
るものだ。そんな中で「自分たちの頃はハワイ語より日本語
だった」という両親の発言にはどきりとさせられるものもあ
った。
さらに美しいハワイ語を習得するための生徒たちの努力や、
本当はハワイ’イ(’は無声音)と発音するいうハワイ語の
本質なども紹介されているのも興味深い作品だった。ハワイ
アンと言えばウクレレとスチールギターの軽やかな音色が浮
かんでくるが、その背景や歴史にも深いものがあることが認
識できた。
という映画全体ではハワイ語のコーラスが満喫できる作品だ
が、最後に聞こえてくるのが何故かBEGINの「涙そうそう」
(ただし歌詞はハワイ語)。確かに本コンテストの決まりも
ハワイ語の歌詞というだけではあったが、ここはちょっと不
思議な感じがした。
* *
最後に、アーサー・C・クラーク原作“Rendezvous With
Rama”の情報が久しぶりに登場した。
この情報に関しては2002年12月15日付第29回や2003年3月
1日付第34回でも紹介しているものだが、映画化の権利はオ
スカー俳優のモーガン・フリーマンが所有していて、彼が主
宰するプロダクションRevelations Entertainmentの製作予
定リストにもデイヴィッド・フィンチャー監督の計画として
長年掲載されているものだ。
その現状に関してだが、実は先日フリーマンがAFIが授
与する生涯賞を受賞したのを記念して、Variety紙が特集記
事を掲載し、その中の‘Freeman's scientific angle’とい
うレポートで言及がされていた。
しかしその状況はまだ製作に踏み切れないとのこと。その
訳は‘We've been waiting for the technoloogy to catch
up with our ability to realize the world of Rama’とさ
れていた。つまり映像化するに当っての技術がまだ足りない
とされているもので、CGIで何でもできると思われる時代
となっても、まだフリーマンの判断では不満足のようだ。
なお具体的な作品の計画として書かれていたのはこの作品
だけで、フリーマンの期待度の高さも判るレポートだった。
ファンとしてはもう少し待つことにしよう。
06月26日(日)
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