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On the Production
by 井口健二
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■犬飼さんちの犬、風吹く良き日、おじいさんと草原の小学校、赤い靴、グッド・ハーブ、ハウスメイド、沈黙の宿命、水曜日のエミリア
ただし本作では、テレビ画面を意識したのかアクションシー
ンでもアップが多用されており、そのため技の連携が見え難
いのは多少残念に感じられたところだ。でもまあ、最近のセ
ガールのアクションは大体こんなものだから、そのファンに
は充分なところだろう。
共演は、アレックス・マラリJr.、J・アンソニー・ペナ、
ウィリアム・スチュアート。さらにミーガン・オリー、ウォ
ーレン・クリスティ、2007年12月紹介『ジェシー・ジェーム
ズの暗殺』に出ていたというサラ・リンド。
監督は2010年『沈黙の鉄拳』などのキオニ・ワックスマン、
脚本はセガールと2007年『沈黙の奪還』などのジョー・ハル
ピン、製作は『沈黙の鉄拳』などのデボラ・カブラー、さら
に製作総指揮にはセガールと共に2010年2月紹介『ハート・
ロッカー』などを手掛けたニコラス・シャルティエが参加し
ている。
因に本作は、テレビ放送では第1回と第2回を飾る2話連続
のもので、お話は繋がったものになっている。またデータベ
ースによると、第3回と第4回も“Street Wars”と題され
た2話連続の作品だが、その劇場公開はされないようだ。
さらに今回のDVDリリースは6枚12回分とされているもの
だが、データベースによると本シリーズは第1シーズン13回
とその後に1回分が追加されて全14回分あるようだ。

『水曜日のエミリア』
        “Love and Other Impossible Pursuits”
今年のアカデミー賞主演女優賞を受賞したナタリー・ポート
マンの製作総指揮・主演による2009年の作品。
主人公のエミリアは水曜日に義理の息子を学校に迎えに行く
のが決まり。そこで周囲から略奪婚と囁かれても気にしない
彼女だったが、割り切っているように見える息子の悪気はな
いのかも知れない発言は一々気になるものだった。
そんな彼女は、勤務先の法律事務所で先輩の弁護士が好きに
なり、一人息子が産まれた後は妻との仲が疎遠になっていた
弁護士もそれを受け入れた。やがて彼女は妊娠、妻の座を勝
ち得たのだが、産まれた赤ん坊は最早この世にいない。
そして家の中には、使われなかったベビーベッドなどの育児
用品が処分できないまま残され、息子はそれらをeBayで売ろ
うと発言していたのだが…。さらに前妻との教育方針での対
立も彼女を悩ませていた。
こんな状況の中でも幸せを願う主人公を描く作品は、物語の
始まりから見事に高い緊張感で演出され、その緊張が最後ま
で途切れない。それは人生の中でも経験する緊張感をリアル
に描き尽くしたものだ。
共演は、2008年6月紹介『P.S.アイラブユー』などのリサ
・クロドー、1996年に松田聖子が主演した『サロゲート・マ
ザー』に出演のスコット・コーエン、それに2007年12月紹介
『アイ・アム・レジェンド』に出ていたというチャーリー・
ターハン。
作品は、『スパイダーマン2』の脚本でも知られる作家マイ
クル・シェイボンの夫人で、元は官選弁護人だったというア
イアレット・ウォルドマンの原作に基づくもの。その原作か
ら2000年『偶然の恋人』などのドン・ルースが脚色・監督し
た。因に原作者は映画化について、「私の望んでいたすべて
が形になっていた」と絶賛しているそうだ。
インディペンデント色の濃い作品だし、このままでは日本公
開は難しかったかも知れないが、ポートマンの受賞のお陰で
可能になったというところかな。今後もこのような作品が何
本かありそうだ。

05月22日(日)
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