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On the Production
by 井口健二
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■クロエ、Paradise Kiss、スコット・ピルグリム、ビューティフル、ザ・ホークス、小さな池、ソウルのバングラ…、エンジェル・ウォーズ
金が必要だった。でも、何となく彼の願いに付き合うことに
なって…
特に異文化の交流というような話ではない(多少はそういう
面もある)が、何となく等身大の女子高生と外国からの出稼
ぎ労働者の置かれた環境など、日本でも通じるようなお話が
展開されて行く。そこには韓国人にはちょっと手厳しさも描
かれている。
実際、一方の主人公である女子高生は落とし物の財布を隠し
てしまうような神経の持ち主だし、金持ちなのに外国人労働
者の弱みにつけ込んで賃金を支払わない社長など…、でもこ
れは日本人も同じかな。
そして映画では、徐々に心を通わせて行く2人の関係が甘酸
っぱく描かれ、最後にはちょっと希望も描かれていた。
脚本・監督のシン・ドンイルは、2006年デビュー作の『訪問
者』がベルリン国際映画祭のフォーラム部門に出品されたと
いう俊英で、本作はその第3作。常に人の関係を描き続けて
いる映画作家だそうだ。
出演は、バングラデシュ人の青年に監督の前作『私の友人、
彼の妻』にも出演していたマーブブ・アラム・ポロブ。また
相手役の女子高生を演じたペク・ジニは、昨年日本公開され
た『キッチン』に出演していたようだ。
なお本作は、5月末から東京新宿のK's cinemaで開催される
「真!韓国映画祭2011」にて上映される。
『エンジェル・ウォーズ』“Sucker Punch”
『300』などのザック・スナイダーの原案・脚本・監督・
製作による作品。
主人公は、精神病院に収容された少女。少女は社会性の欠如
や粗暴性などからロボトミーの処置を施されることになり、
その施術は5日後と告げられる。その精神病院には、演劇や
ダンスで治療を行う設備があり…。
そこで場面は転換して少女のいるのは娼婦館。新人の少女は
ダンスもろくにできないが、5日後には大金持ちが来て彼女
を買うのだという。そして彼女がようやく踊り出した時、そ
れは全ての観客を魅了するものだった。
その彼女がダンスを始めると、場面は再び転換してちょっと
ファンタスティックな戦場となる。そしてそこにいた賢者か
ら、「地図、炎、ナイフ、キー、それに秘密のアイテムを揃
えたとき、自由になれる」と告げられる。
こうして彼女は娼婦館に暮らす少女たちと、それらのアイテ
ムを集める作戦を開始する。それは彼女のダンスに男たちが
魅了されている間にアイテムを奪い取る計画で、そのダンス
の度に場面は娼婦館から戦場へと転換し、そこでの闘いが繰
り広げられる。
恐らくはスナイダー監督の妄想なのだろうけど、何とも摩訶
不思議で強烈な世界が描かれる。それらは全てCGIで描写
され、空を飛んだり爆発したり、巨大な建物が崩れ去ったり
の正しく妄想の限り何でもありの世界だ。
そんな中でちょっとトリッキーな物語が描かれて行く。
出演は、2005年2月紹介『レモニー・スニケットの世にも不
幸せな物語』のエミリー・ブラウニングと、2010年4月紹介
『ブライト・スター』のアビー・コーニッシュ、2008年5月
紹介『イントゥ・ザ・ワイルド』のジェナ・マローン。
他に、『ハイスクール・ミュージカル』に出演のバネッサ・
ハジェンズ、夏公開『ハングオーバー2』に出演ジェイミー
・チャン。さらにカーラ・グギノ、オスカー・アイザック、
ジョン・ハム、スコット・グレンらが脇を固めている。
主人公の妄想が映像化されるということでは、『スコット・
ピルグリム』も同様だが、さすがスナイダー監督はスケール
も違うし、物語もただ馬鹿々々しいだけでない、僕らの納得
できるものになっていた。
04月03日(日)
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