ID:47635
On the Production
by 井口健二
[460188hit]
■A3DU、少年マイロの火星冒険記、ナチス偽りの楽園、はい!もしもし大塚薬局ですが、エクレール・お菓子放浪記+ニュース
グリット』にも携わった製作者のデイヴィッド・エリスンが
その映画化を進めると発表した。
この作品は、日本では『宇宙戦艦ヤマト』として知られて
いるものだが、アメリカでも1970年代に放送されていたよう
だ。そして今回の発表を行ったエリスンは1983年生まれとの
ことで、彼にどのような思い入れがあるのかは知らないが、
すでに先月紹介『ツーリスト』を手掛けた脚本家のクリスト
ファー・マクアリーに脚色を依頼しているとのことで、準備
は着実に進められているようだ。
因にエリスンは、ソフトウェアの大手オラクル社の創始者
でビリオネアのラリー・エリスンの息子で、ラリーが製作し
た2007年9月紹介『FLYBOYS』には俳優として出演していた
という人物。その後は俳優として演技も続ける一方で、製作
者というか、映画への出資者=製作総指揮の肩書きで『トゥ
ルー…』や、現在撮影中の“Mission: Impossible - Ghost
Protocol”にも関っているようだ。
言ってみれば大金持ちの道楽というところだが、それでも
『トゥルー…』のような作品が生まれるならそれは文句の言
いようもない。たっぷりの製作費を投入した大作の映像化を
観せて貰いたいものだ。
それから、このテレビアニメが日本でも実写映画化されて
今年の正月映画として公開されたことはアメリカでも報道さ
れているが、今回のアメリカでの映画化はそれとは別物のよ
うで、物語などの影響は受けないようだ。何れにしてもアメ
リカでの映画化なら、今時の国際化を無視した日本人だけの
キャスティングや、オリジナルの設定を台無しにしたヤマト
登場のシーン、それに何より臨戦体制の中で一体何をやって
いたんだという展開などは願い下げにして、もう少しは原作
に敬意を払った脚本を期待したい。
* *
最後に記者会見の報告を一つ。
先週末に日本公開の始まった『ツーリスト』のジャパンプ
レミアのため来日した主演ジョニー・デップと監督フロリア
ン・ヘンケル・フォン・ドナースマルクの記者会見が行われ
た。
この会見では、監督のあまりの背の高さに驚いたり、題名
のtouristという言葉の意味について、travelerとの違いが
説明されるなど、いつもの記者会見とはちょっと違った雰囲
気があったものだが、その中でデップに対して「日本女性の
好みは?」という質問が出された。
それに対するデップの答えは、「タイムトラヴェルができ
るならば17世紀の日本人女性」というものだったが、ここで
何故「17世紀」なのかが気になった。そこで調べてみると、
実は以前からマーティン・スコセッシ監督がデップの主演で
映画化を希望している遠藤周作原作『沈黙』の舞台が17世紀
の日本で、恐らくその関係で原作を読んだデップの心に何か
感じるものがあったということのようだ。
『沈黙』の映画化に関しては、ここ何年も期待はされなが
ら、最近では映画データベースの予定欄からも落ちてしまっ
ているようで、なかなか難しいようだが、実現すればデップ
が望む日本での長期滞在も叶うことになるし、何とか主演者
の力で道を切り開いて欲しいとも思ったところだ。
03月06日(日)
[1]過去を読む
[2]未来を読む
[3]目次へ
[4]エンピツに戻る