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On the Production
by 井口健二
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■メアリー&マックス、ツーリスト、愛しきソナ、木漏れ日の家で、キッズ・オールライト、ジャッカス3D、ナナとカオル+ニュース
しては面白くも観ることが出来たものだ。
『ナナとカオル』
白泉社の雑誌「ヤングアニマル」に連載の甘詰留太原作によ
る同名コミックスの映画化。
アパートの隣り同士に住む、優等生で生徒会副会長も務める
ナナと、同じ高校に進学はしたが落ちこぼれのカオル。共に
母子家庭で育った幼馴染みだが、最近は学園生活の居場所も
違う2人が密かな楽しみを共有し始める。
その発端は、どちらも母親が家を空けたある夜のこと。カオ
ルの家のチャイムがなりドアを開けると、そこにはボンデー
ジを身に纏ったナナがうずくまっていた。そしてカオルの部
屋に入った2人は…
元々Sの知識を持っていたカオルは徐々にナナを調教して行
き、ナナも自らのM気質に気付き始める。こうして息抜きの
方法を見つけたナナは学業の成績が向上し、一方のカオルも
ナナのためにSの知識を積み重ねて行く。
出演は、カオル役に2005年『仮面ライダー響』や昨年の大河
ドラマ『竜馬伝』で沖田総司役などの栩原楽人、ナナ役には
「ヤングサンデー」のグラビアなどで注目される永瀬麻帆。
脚本と監督は、1997年『ねらわれた学園』などの清水厚が担
当した。
SMのシーンなどはボンデージを含めそれなりに実演しなけ
ればならない訳で、その点では女優も頑張っているし、また
一部のシーンには専門家の指導も入っているようだ。それは
以前に何本か紹介しているその種の映画に比べると幼いし、
ソフトなものではあるが、それなりに好きな人には喜ばれそ
うだ。
ただしお話は、実に主人公の都合通りに進んで行くもので、
そこには何の障害も発生しないから、ドラマとしてはこれで
良いのか疑問も感じてしまうところだ。でもまあこの作品を
観ようとする観客にはそんなことはどうでも良いことかもし
れない。
それに本作では、コメディとしての演出が結構丁寧に行われ
ており、マスコミ試写会でもかなり笑い声が上がっていた。
その点では評価もしておきたい作品だ。
なお本作は、映像コンテンツ製作会社Vapによる「東京思春
期」と称するシリーズの第3弾になっているようだ。
* *
最後にニュースは、先日発表されたVES賞の結果のみ、
作品別に報告しておきます。
受賞は、実写部門では『インセプション』がVFX主導映
画のVFX賞、背景賞、モデル/ミニチュア賞、合成賞。
アニメーション部門では『ヒックとドラゴン』が長編アニ
メーション賞、アニメーションキャラクター賞、エフェクト
アニメーション賞と、それぞれ事実上の各賞を独占。
その他は、VFX主導でない映画のVFX賞を『ヒアアフ
ター』、短編アニメーション賞を“Day & Night”、実写映
画におけるアニメーションキャラクター賞を『ハリー・ポッ
ター』のドビーが受賞した。
なお今回は、クリストファー・ノーランがヴィジョナリー
賞と、レイ・ハリーハウゼンが生涯賞という特別賞の受賞も
していたようだ。
02月06日(日)
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