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On the Production
by 井口健二
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■僕が結婚を決めたワケ、引き裂かれた女、再会の食卓+製作ニュース
海外のニュースはもう一つ賞レースの話題で、12月12日付
で紹介したアカデミー賞VFX部門の予備候補から7本に絞
られた作品名が報告された。それによると残ったのは:
“Alice in Wonderland”
“Harry Potter and the Deathly Hallows Part 1”
“Hereafter”
“Inception”
“Iron Man 2”
“Scott Pilgrim vs. The World”
“Tron: Legacy”
今後はこの7本についてそれぞれ15分に纏められた映像が
1月20日にアカデミーのVFX部会員の前で上映され、その
後に映画スタッフとの質疑応答が行われて、最終候補の5本
が選ばれることになっている。因に、アカデミー賞VFX部
門の最終候補は昨年から5本に拡大されているが、現時点で
の7本から2本落とされるだけというのもかなり微妙な感じ
もするところだ。
一方、2Dから3Dへのコンバージョンは現状ではVFX
の一部と見做されているとのことで、その伝で行くと今回の
絞り込みでは、“Alice”を除く“The Voyage of the Dawn
Treader”“Clash of the Titans”“The Last Airbender”
が軒並み落とされたことを、問題視する向きもあるようだ。
因に“Tron: Legacy”は3Dカメラで撮影された作品という
ことになっている。
何れにしてもこの中から落とされる2本はどれとどれか、
これはちょっと予想しても面白そうだ。
* *
最後に新年早々一つ記者会見が行われたので、その報告を
する。
と言っても映画製作ではなくて、実は1月6日に刊行が開
始された「男はつらいよDVDマガジン」に関連して監督の
山田洋次、共演の倍賞千恵子らによる記者会見が行われたも
のだ。それでまあマガジンの刊行に関しては他でも報道され
たと思うが、会見の中でいくつか気になる発言があったので
紹介しておこう。
その一つは記者からマドンナについて質問された際に、山
田監督からは、「映画を撮るときには常に女優を美しく撮影
することを心掛けた。それは監督だけでなく、カメラマンや
照明、メイク、衣装などスタッフ全員の仕事だった」という
発言があった。そして続けて「最近の映画やテレビは、女優
を美しく撮っていない」との苦言も呈されていた。
また、今回のマガジンで売りの一つになっている山田監督
書き下ろしの連載小説については、映画以前の寅さんを描く
と言うものだが、「映画で寅さんを描くに当って渥美清さん
の思い出話しを数多く参考にした。渥美さん自身がコメディ
アンになるまでにどのような生活を送ってきたのか、それは
かなり恐ろしい体験もされていたようなのでその辺を想像し
ながら書いている」とのことだった。
そして当然その映画化への期待については、「柴又の昭和
30年代を再現して描くのが難しい。『オールウェイズ』のよ
うな作品もあるが、自分たちが同じようなことをできるかど
うか。それに渥美さんの少年時代を演じられる、特に骨格や
鰓の張った子役を探すのも大変そうだ」との回答だった。
過去の日本映画の話だし、このページの本来の目的とは違
うものだが、これらの発言には僕自身いろいろ考えるところ
もあったので、ここに報告させてもらうことにした。
01月09日(日)
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