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On the Production
by 井口健二
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■ナンネル、ネスト、ミツバチの羽音と地球の回転、ホームカミング、多田便利軒、サビ男サビ女、毎日かあさん、かぞくはじめました
経緯のある2人が、2007年1月紹介『さくらん』で同じ映画
に出演したことはあるが、今回は夫婦及び離婚した夫婦役で
本格共演を果たしている。
他には、正司照枝、古田新太、大森南朋、田畑智子、鈴木砂
羽、柴田理恵、北斗晶、安藤玉恵、遠山景織子、光石研らが
共演。また矢部光祐、小西舞優の2人の子役が夫婦の子供た
ちを演じている。
10月の作品では、浅野忠信演じる夫の視点から永作博美演じ
る妻の姿が実に愛らしく描かれていたが、妻本人の立場から
ではそうは描かない。それは、恐らくは本作の方が真実に近
いものなのだろうが、厳しく重い内容の作品だ。

『かぞくはじめました』“Life as We Know It”
ひょんなことから嫌っている者同士が一つ屋根の下に暮らさ
なければならなくなるというシチュエーションを描いたファ
ミリードラマ。
物語の中心は、小さなベーカリーを経営しながら招来はその
店をレストランにしたいと夢見ている女性と、プロデューサ
ーからの信頼も厚くなりスポーツ番組のディレクターとして
一人前になることが現実になり掛かっている男性。
そんな2人が共通の友人である夫婦の手引きでデートをする
ことになるのだが、まだまだ恋愛に夢を持っている女性と、
1時間も遅刻した上に全てががさつな男性との出会いは、食
事にも行けないままの最悪の結果となる。
それでも2人は友人夫婦に誕生した子供の名付け親になった
り、その誕生パーティにも招かれたりと、顔を合わせる機会
は続くが一度付いた印象が変ることはない。ところがそんな
2人が一緒に暮らさねばならなくなる。
しかもそこには赤ん坊もいる状況。それでも2人はお互いの
生活には干渉せず、赤ん坊の世話はお互いのスケジュールを
シェアしながら、それぞれが別々の恋愛や仕事に邁進して行
くのだったが…。
嫌っている者同士が否応なしに一緒に時を過ごさなければな
らなくなる…。そんな物語もハリウッド映画の定番の一つか
も知れない。しかしそんな定番物語の中でも、本作が描くス
トーリーは抜群のものと言えそうだ。
しかもそこに至る物語の展開の見事さ。本作ではそれが現実
にも起こりそうに無理なく描かれていた。今までに映画でも
いろいろな家族の形を観てきたが、本作では脚本も演出も極
上のドラマを堪能させて貰えた感じだ。
監督は、来年6月公開予定のDCコミックス映画化“Green
Lantern”にも起用されているグレッグ・バーランティ。脚
本も新人のイアン・ドイッチマン、クリスティン・ラスク・
ロビンスンのコンビによるものだが、彼らもアシュトン・カ
ッチャー主演の新作に起用が決まっているそうだ。
出演は、2009年8月紹介『男と女の不都合な真実』などのキ
ャサリン・ハイグルと、『トランスフォーマー』シリーズな
どのジョッシュ・デュアメル。他に、2006年5月紹介『ポセ
イドン』などのジョッシュ・ルーカス、今年8月紹介『レオ
ニー』に出演のクリスティナ・ヘンドリックスらが脇を固め
ている。
映画を試写で観させて貰うことで一番嬉しいのは、全く予備
知識なしで作品を観られることだと思う。本作もそのように
観ていてその展開の素晴らしさに感動した。出来るだけ予備
知識なしで観てもらいたい作品の1本だ。

12月19日(日)
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