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On the Production
by 井口健二
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■ピラニア、ウォールS、わたしを離さないで、恋とニュースのつくり方、WE DON'T CARE、ランナウェイズ、カンフーサイボーグ+ニュース
見の報告を纏めてしておこう。
 まずは11月紹介『ソウル・キッチン』に関連してファティ
・アキン監督の来日記者会見があった。
 この会見は出席者の人数も少なくて、アットホームな感じ
だったが、途中で質問が途切れそうになったので、脇役で出
ていたウド・キアーについて質問してみた。すると監督は予
想以上の食い付きで名優の人柄について語ってくれた。
 それによると監督は、以前にハリウッドを訪れた際に当地
に住んでいるキアーに会ったのだそうだ。それで非常に歓迎
してくれて友人になれたとのこと。
 そして今回の配役は当て書きした訳ではないが、脚本を書
き上げて配役を考えていて、「そうだウド・キアーがいるじ
ゃないかと思い付き、オファーをしたら喜んで出てくれた」
とのことだった。また「彼の撮影期間は3日間だったが、そ
れは至福の時だった」とも語ってくれた。
 さらにキアーからは本のプレゼントを貰ったそうだが、そ
れは詩集と世界地図(アトラス)で、そのアトラスはクレー
ンがなければ運べないほど大きなもの。そして監督は、「僕
は旅が好きだが、彼にそのことは話していない。それで何故
アトラスを選んでくれたのか判らないが、もしかしたら彼は
現代に生きる魔法使いなのかも知れない」との意見だった。
 なお僕はいつもの癖で、キアーに関しては「ドラキュラを
演じていたときからの好きな俳優」と前振りをしたが、監督
からは「ヴィム・ヴェンダースやフォン=トリアー作品に出
ている名優」と返されたもので、今年37歳の監督にはそうな
んだろうなあという感じだった。
 因に監督の次回作は、世界を半周するくらいの作品になる
かも知れないとのことだ。
        *         *
 続いて『トロン/レガシー』の監督と製作者、主演女優の
来日記者会見も行われた。こちらは未だに本編の試写も観せ
て貰えない状態で、会見に行っても質問はできない状態だっ
たが、宣伝担当者から質問を要請されてしまった。
 それで用意された質問は技術的な話だったが、何故か同じ
質問を先の人にされてしまい、急遽今回製作総指揮を務める
前作の監督のスティーヴン・リスバーガーと前作に続いて出
演したオスカー俳優のジェフ・ブリッジスについて製作者の
ショーン・ベイリーに聞いてみた。
 するとベイリーは、「リスバーガーは兎に角チャレンジし
ろと言ってくれた。選択肢があったらよりリスクの大きい方
に向かって進めとね。だから3Dにも挑戦したし、ヴィジュ
アルや音楽も挑戦できた」とのことだった。それと「ブリッ
ジスに関しては、光栄と言う他になく。お陰で彼には2役も
演じて貰ってしまった」とのことで、製作者にも喜んで答え
てもらえた感じだった。
 ディズニー作品の記者会見では、今年はティム・バートン
の会見に呼んで貰えなかったのが残念だったが、出来れば今
後も監督や製作者のその作品に対する拘わりに付いて聞いて
行きたいと思っているものだ。
        *         *
 最後に、アカデミー賞長編アニメーション部門の予備候補
が発表され、今年は“Cats & Dogs: The Revenge of Kitty
Galore”“Toy Story 3”“The Legend of the Guardians:
The Owls of Ga'Hoole”など15作品が選ばれたが、その数が
16に満たなかったため、最終候補は3本になるとのことだ。
 なお予備候補には2009年7月紹介『サマー・ウォーズ』も
入っているが、12月中にロサンゼルス地区で公開されれば、
権利があるようだ。

12月05日(日)
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