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On the Production
by 井口健二
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■第9地区、孤高のメス、フェーズ6、エンター・ザ・ボイド、ソウル・パワー、きな子、ヒーローショー
いるが、長編は上記以来となるようだ。
完成披露試写会を観てきたが、その上映前の舞台挨拶で監督
は、最近、若者の暴力行為を描いた映画が多いことに触れ、
「そういう流れを作ってしまったのは自分のようにも感じる
が、今回はそれに一石を投じる作品を作った」といったよう
なことを語っていた。
物語は、客寄せの「ヒーローショー」に出演するヒーロー役
の若者が、悪役の男の恋人を寝取ったことに始まる。そこで
悪役の男は知人のやくざに頼んで復讐をするのだが、その際
にやくざが金を要求したことから、若者側もちょっと危ない
系の先輩に話を持って行く。
そして危ない系の先輩は元自衛官の同級生を誘い、その元自
衛官は個人的な苛々もあって加担を決める。こうして若者の
地元にやくざたちを呼び出した元自衛官たちは、人数を掛け
てやくざたちを袋叩きにし、その内の1人を埋めてしまうの
だが…
監督の言う最近流行りの映画というのが具体的にどの作品を
指すのかは判らないが、僕自身、試写は観てもサイトにアッ
プしなかった作品の中には、この手の復讐が成功して万々歳
という単純な作品が多いようにも感じていたところだ。
であるから本作が、ここから後の展開でかなり厳しい話を描
いていたのには、ある種の我が意を得たりという感じもした
し、大人が描く映画ならこうあるべきだという思いもした。
少なくとも思い上がりの餓鬼が作った、暴力さえかっこ良く
撮れば良いというような作品ではないものだ。
出演はお笑いコンビ・ジャルジャルの後藤淳平と福徳秀介。
この配役は、監督に言わせると「吉本映画だから仕方ないだ
ろう」だが、監督自身が多数の候補の中から選んだもので、
他の候補にはもっと周りが押す有名なタレントもいたが…、
「その名前は絶対言えない」としていた。
他には『パッチギ!』にも出演していた女優のちすん、本業
はダンサー兼振り付け師の桜木涼介、『デトロイト・メタル
・シティ』などの米原幸佑、『ワルボロ』などの安部亮平、
『わたし出すわ』などの林剛史、『うた魂♪』などの永井彬
らが共演している。
若者向けのちゃらちゃらした作品の多い中、それなりに社会
性もあり重い部分もある作品。上映時間は2時間14分だが、
上映中はスクリーンから目が離せなかった。
* *
先日発表されたアカデミー賞結果についての僕なりの講評
及びその他のニュースは明日付で更新します。
03月14日(日)
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