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On the Production
by 井口健二
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■幸福の黄色い…、グリーン・ゾーン、誘拐ラプソディー、スナイパー、川の底からこんにちは、てぃだかんかん、ねこタクシー、処刑人U
本作はその延長上にある作品となるが、本作では許認可の法
律上の問題や、さらに実施した場合の弊害など、いろいろな
面がかなり丁寧に説明され、実現する場合の問題点が相当に
突っ込んで描かれていた。その意味で本作は納得でき、満足
もできた。
その一方で、エピソード的に描かれる盲導犬の話など、本作
の成立の過程では描けない部分にも目配りがされており、そ
の点でも感心させられた作品だった。
『イヌゴエ』から、映画版はずっと見続けてきたシリーズだ
が、いよいよ成熟期に入ってきた感じかな。ここからの次の
ステップが楽しみになってきた。
『処刑人U』“The Boondock Saints II: All Saints Day”
1999年に製作されたものの当時の社会的な状況などからアメ
リカでは拡大公開が見合わされ、日本では2000年開催の東京
ファンタスティック映画祭に招待された後、2001年に一般公
開されたという作品から、実に10年ぶりに製作された続編。
しかも前作で主演したショーン・パトリック・フラナリー、
ノーマン・リーダスを始め、ビリー・コノリー、ボブ・マー
レイ、ブライアン・マホニー、デイヴィッド・フェリーらの
脇役からゲスト出演のウィレム・デフォーまで、ほぼ全員が
揃って再登場している。
物語は、前作で神の啓示を受け、警察の力が及ばないボスト
ンの暗黒街の顔役たち22人を粛正した兄弟が、再び戦場に戻
ってくるというもの。その切っ掛けは、ボストンの教会で兄
弟を真似た手口の殺人が発生したことによるが、その事件の
首謀者は…
そして10年ぶりの兄弟の帰還を巡って、警察とFBI、さら
にボストンの暗黒街の顔役たちが動き出す。一方、前作で兄
弟の協力者となった連中は…
作品の間隔が10年も空くと、その間を繋ぐ仕掛けがいろいろ
必要になるが、その点ではそれなりに納得の行く展開にはな
っていた。特に主人公たちの事前の暮らしぶりが、ニヤリと
いう感じにもなっているものだ。
ただまあこの手のお話では、そこから後が前作と同じような
展開にしか行けない訳で、そこはいろいろ目先を変える工夫
はしているが…。まあファンにはこれで満足はしてもらえる
かな?という感じのところだろう。
前記以外の出演者では、2008年に『ランボー/最後の戦場』
『ソウ5』『パニッシャー:ウォーゾーン』と出演したジュ
リー・ベンツと、2005年『カポーティ』で殺人犯を演じたク
リフトン・コリンズJr.が新登場。他に、1985年『セント・
エルモス・ファイアー』などのジャド・ネルスン、またピー
ター・フォンダも登場する。
脚本監督は前作も手掛けたトロイ・ダフィー。前作から10年
ぶりの第2作となるが、実はその間の5年間は、前作の配給
権やその他の権利を巡っての裁判をしていたそうで、それら
が決着しての復帰となったようだ。
監督の仕事ぶりなどにブランクは感じさせなかったが、その
間にはPVの演出なども手掛けていたようで、これから先が
注目されそうだ。
02月28日(日)
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