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On the Production
by 井口健二
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■クリスマス・キャロル/3D特別映像、風が強く吹いている、大菩薩峠、ドゥーニャとデイジー+製作ニュース他
アイデアは殆ど削除して、来年撮影される“4”には、新た
にゲイリー・ロスらによる脚本が作られてしまった。
 という経緯のあるヴァンダービルトとの契約だが、ここに
はシリーズは間を置かずに連続して公開したいというコロム
ビア側の意向もあるようで、その点でのライミ監督との考え
の違いも表面化してきたようだ。
 とりあえず“Spider-Man 4”の製作は、トビー・マクガイ
ア、キルスティン・ダンストの共演、サム・ライミ監督で進
められることは確定のようだが、その後の“5”“6”がどう
なるかは流動的になってきた。しかしその製作が遅れること
はコロムビアの最初の意図からも外れる訳で、今後の動きが
注目されそうだ。
        *         *
 今回は最後に、ちょっと珍しい映像体験の報告をしておき
たい。
 8月上旬に富山まで旅行をしたのだが、その際に北越急行
ほくほく線のゆめぞら号に乗車してきた。この路線は、新潟
県の越後湯沢と直江津の間をおよそ1時間で結んでいるもの
だが、山岳地帯を横断するために全線の約7割がトンネルと
なっている。このため車窓の風景を楽しめない代りに、何と
その一部の列車で、トンネル内走行中、車室の天井に映像が
写し出されるシステムが設けられているのだ。
 その映像は、現在までに「星座編」「花火編」「天空編」
「海中編」「宇宙編」の5種類が用意されていて季節ごとに
替えられるということだが、僕が乗車したときには夏に合わ
せた「花火編」が上映されていた。その内容は、クラシック
の「美しき青きドナウ」から、ジャズ風、邦楽風、ポップス
調、さらには祭囃し風、そして最後は「カルメン」で締め括
られるBGMに合わせ、CGIによる花火の映像が天井一杯
に繰り広げられるもので、中には現実には有り得ないような
花火もあって、かなりの迫力で観られた。
 因に映像は、両サイドの網棚の位置に設けられた7台ずつ
計14台のプロジェクターから投影されているものだが、僕ら
の目から観ればその繋ぎ目の位置は判るものの、各プロジェ
クターからの映像のシンクロが上手くて、上映中はほとんど
気にならなかった。特に「花火編」では終盤で、車両の前後
から2匹のドラゴンが飛び出し、中央でぶつかり合うという
映像が、左右に蛇行する龍がそれぞれのプロジェクターで分
担されているのだが、その繋ぎの上手さと花火特有の煌めく
映像で、見事に胡麻かさせれているものだ。
 個人的には今年春の新作という「宇宙編」を観てみたかっ
たが、季節ごとの上映ではなかなか思うものは観られないよ
うだ。しかしまた機会があったら乗車したいという思いは生
じた。上映のスケジュールなどが公開されるとありがたい。
 なお僕は青春18きっぷを利用しての旅行だったが、この区
間は第3セクターのために別の乗車料金が必要になる。ただ
し路線の両端はJR線内なので、検札もないと通り抜けてし
まう乗客の把握は難しいようだ。そこで僕の考えでは、現行
では形式張っているだけの「精算済証」に替えて、上映作品
の写真でも添えたカードにでもすれば、乗車の記念になりそ
うな感じもした。その費用は安くはないだろうが、作品と共
にスポンサーでも付ければ経費は削減できるだろうし、今後
も作品を増やすのであれば、スポンサーを付けることは営業
的にも面白い感じがするが、いかがなものだろうか。
 とりあえず映像マニアにはお勧めの路線を紹介した。

08月30日(日)
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