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On the Production
by 井口健二
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■リミッツ・オブ・コントロール、あいつはカッコよかった、ヤッターマン、ボヴァリー夫人+製作ニュース
子の病気を診てもらうために、秘密の研究所NIMHから逃亡し
てきたとされる天才ネズミに会いに行くというもの。その間
に彼女が遭遇するいろいろな冒険や、彼女を援助する仲間の
ネズミたちの活躍が描かれて行く。
 その原作から以前の映画化ではブルース監督が独自のスト
ーリーを展開していたもので、実は上記の物語もその映画化
のものだが、今回は新たに原作に沿った脚色がされることに
なるようだ。そしてその脚色及び監督に、2008年3月に紹介
した『幻影師アイゼンハイム』などのニール・バーガーとの
交渉が公表されている。
 因に『幻影師…』では、以前の紹介でも書いたようにバー
ガーが手掛けたその脚色も素晴らしいものだったが、今回の
交渉もそれを期待されてのことだろう。ブルースの冒険一杯
の脚色に対してどのようなストーリーを展開してくるかにも
興味が湧くところだ。
 なお今回の映画化は、アニメーションか実写か、それとも
それらのコンビネーションになるかも明らかにはされていな
いが、製作元のパラマウントは2006年“Charlotte's Web”
の実績もあるところだし、最適の手段を見つけてもらいたい
ものだ。
        *         *
 今回の製作ニュースは、最初もテレビシリーズからの作品
だったが、最後もその関係で、『ハンコック』や『アイアン
マン』などを手掛けたマシュー・グラッツナーというベテラ
ンVFX監督が、1970年代のSFテレビシリーズ“U.F.O.”
の映画化で監督デビューを果たすことになった。
 この作品は、『サンダーバード』などの人形劇で人気を博
していたジェリー・アンダースンが俳優を使って製作した特
撮SFシリーズで、異星人による密かな侵略が始まっている
近未来の地球を舞台に、一般には公表されないままに侵略者
との戦いを繰り広げる秘密組織の活動が描かれている。日本
では1970年−71年に日本テレビ系で『謎の円盤UFO』の邦
題で放送され、今でも評価は高いものだ。
 そして今回の映画化では、グラッツナーが自ら興したプロ
ダクションでオリジナルの権利を保有するITVと交渉し、
その契約に基づいての映画化が行われることになっている。
なおグラッツナーは、「アンダースン氏が作り上げた“U.F.
O.”の物語やキャラクター、状況などは、時を越えて現代に
も通じるものであり、自分はVFXをそのストーリーを語る
道具にして、観客をこの世界に引き摺り込むようにしたい」
と初監督に意欲を燃やしているようだ。
 脚本は、ライアン・ゴーデットとジョセフ・カナレックと
いう2人が執筆していて、グラッツナーのプロダクションで
はその脚本が完成し次第、コンセプトアートやプレヴィジョ
ン化を行い、それを持って資金の調達や配給権の交渉などを
開始したい意向のようだ。まだしばらく時間は掛かりそうだ
が、2004年版“Thunderbirds”のような間違いを犯さずに、
納得のできる作品を期待したいものだ。
        *         *
 ついでにもう1本、ワーナーとレオナルド・ディカプリオ
が1960年代のテレビシリーズ“Twilight Zone”の再映画化
の計画を発表した。
 この作品からは1983年にスピルバーグらの製作による映画
化もあるが、今回は1999年『ノイズ』などのランド・ラヴィ
ックが脚本監督を務めるとのことで、具体的な内容などは不
明だが、これもちょっと期待したいところだ。

08月16日(日)
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