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On the Production
by 井口健二
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■エッチを狙え、さそり、アンナと過ごした4日間、シャンソニア劇場、HIGH WATER、牡丹灯籠、サブウェイ123、HP/謎のプリンス
な端々の台詞や描写なども、今のアメリカの現状を如実に表
わしている感じがして、それはちょっと痛々しくも感じられ
たところだ。
因に、邦題の『123』は「ひゃくにじゅうさん」と読ませ
るようだが、1974年のオリジナルでは“One Two Three”と
なっていたもの。また映画の中では“One Twentythree”と
いう台詞になっていた。

『ハリー・ポッターと謎のプリンス』
      “Harry Potter and the Half-Blood Prince”
2001年に第1作が公開されて以来、毎作話題を撒いてきたシ
リーズも第6作。本作が公開されると残すは最終巻の映画化
のみとなる。
物語は、2005年に発表された原作とほぼ同じと思われるが、
何せ4年も前に原書で読んだままなので正確には思い出せな
い。ただ、原作では主人公以外のところで展開されたいろい
ろなエピソードがほとんど省略されて、映画は主人公の冒険
に特化されている。
そのため何処となく物足りない感じもしてしまうが、取り敢
えず粗筋としては判りやすく作られているし、気になるなら
原作を読み返せということにもなるのだろう。それで上映時
間は2時間34分、そこに映像的な見所はたっぷりと描かれて
いる。
僕は、映画を観ながら「おおそうだったそうだった」と一々
頷いていたものだ。そんな訳で僕自身は大変満足できる作品
だったと言える。ただ、原作の読者でない人にどのように受
け取られるかは僕には判らないが…多分冒険物語としては楽
しめるはずだ。
全7巻の原作は、最初の3巻は見事なプロローグであって、
第4巻を挟んで第5巻からが最後の敵へと向かう壮絶な戦い
の物語となっている。その構成は恐らく最初から計算されて
いたと思えるし、それをその通りに完遂した原作者には敬意
を表したいくらいだ。そんな物語がここから展開される。
出演は、ダニエル・ラドクリフ、ルパート・グリント、エマ
・ワトスンの3人組の再登場に加えて、ロビー・コルトレー
ン、マイクル・ガンボン、アラン・リックマン、マギー・ス
ミス、トム・フェルトン、ボニー・ライト。さらにヘレナ・
ボナム・カーター、ルナ役のイヴァナ・リンチ、チョウ・チ
ャン役のケイティ・ルングらも再登場している。
一方、ラヴェンダー・ブラウン役には新たにジェシカ・ケイ
ヴが起用された他、本作でのキーとなるスラグホーン役には
『ナルニア国物語』などのベテラン=ジム・ブロードベント
が扮している。
監督は、前作に引き続いてデイヴィッド・イェーツ。2部作
となる最終話『死の秘宝』も彼が手掛ける。因にテレビ出身
のイェーツは、4月に紹介した『消されたヘッドライン』の
オリジナルミニシリーズを手掛けていたそうだ。

07月05日(日)
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