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On the Production
by 井口健二
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■USB、ボルト、フィースト2、海の上の君は…、そんな彼なら捨てちゃえば?、ブッシュ、消されたヘッドライン+製作ニュース
いろな人に楽しめるエンターテインメントに仕上げていると
も言えそうだ。
なお試写会の後で、事件の発端部分の理由が判らないと息巻
いている若者がいたが、その理由は明白、それが大人の世界
なのだよとだけ教えて上げたかった。
それから、オリジナルのミニシリーズは昨年NHKBSで放
送されたようだ。
* *
最後に製作ニュースを一つ。
2004年6月に紹介した『フォッグ・オブ・ウォー』などの
ドキュメンタリー監督エロル・モリスが、初めてのドラマ作
品として人体の冷凍保存=クライオニクスを題材にした作品
を計画している。
この作品は、1960年代からクライオニクス運動に参加して
きたロバート・F・ネルスンの回想録“We Froze the First
Man”に基づくもので、この回想録はドキュメンタリー番組
“This American Life”でも、“You're as Cold as Ice”
の題名で取り上げられたとのことだ。そしてこの原作から、
2006年『主人公は僕だった』などを手掛けたザック・ヘルム
が脚色を進めているもので、映画化の題名は未定だが、内容
的にはダークコメディになるとされている。
クライオニクスは、金魚を液体窒素に漬けて凍らせた後に
常温水に入れると再び泳ぎ出すという実験にヒントを得たも
ので、死んだ直後の遺体を冷凍して、いつの日かその死因を
取り除ける未来において復活させようというもの。本当は死
ぬ前に冷凍保存すべきだが、それは法律上問題があるため、
死の直後に行うことで何とか辻褄を合わせているものだ。
そしてアメリカでは、すでに何10人もの遺体が冷凍保存さ
れているようだが、現実にはそこから復活された人はまだ確
認されていない。しかも、人間のような高等な脳は冷凍に耐
えられないなどの問題も指摘されており、そこまでも含めた
再生技術が完成するのはまだ近い未来とは言えないようだ。
そんな未来の技術を題材にしたダークコメディとなるが、
もちろんSF映画の世界では、1973年のウディ・アレン作品
『スリーパー』から、『エイリアン』『スター・ウォーズ/
帝国の逆襲』のハン・ソロまで枚挙に暇のないもので、それ
を今回はどのように脚色、映画化するかにも興味が湧く。
ドキュメンタリー出身の監督では、上でもケヴィン・マク
ドナルドの作品を紹介しているが、ザック・ヘルムの脚本と
共に切れ味の良い作品を期待したい。
04月19日(日)
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