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On the Production
by 井口健二
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■第180回
1943年に公開されたオリジナルは、ゾンビ物の嚆矢となる作
品とも呼ばれ、数あるRKOホラーの中でも最も重要な作品
とされているものだ。
その監督に起用されるマーカスは、上記のデビュー作以来
4作目という寡作の人だが、昨年にはヴァル・キルマーを主
演に迎えて“Conspiracy”(邦題:ゴッド・ランド)という
作品を約10年振りに撮ったところで、今回の起用に当っては
その際の共同脚本を手掛けたデブラ・サリヴァンも一緒に招
かれている。基本的にはB級アクションの監督と思うが、デ
ビュー作ではマニアックな評価も高かったようで、本作では
その面の期待も持たれているようだ。
なお、今回の発表に際しては、以前の報告では挙がってい
なかった4本目のリメイク作品の題名も報告され、その作品
が1939年製作の“Five Came Back”になると発表された。オ
リジナルは、アマゾンの密林に不時着した旅客機の生存者た
ちが、ジャングルの危険や現地人の襲撃などと闘いながら機
体を修理し、生還するまでを描いたサヴァイヴァ物で、後の
大女優ルシル・ボールの出演作としても有名なものだ。
この他には、以前のときに紹介した1945年製作“The Body
Snatchers”と、1946年製作“Bedlam”が予定されているも
のだが、まずは第1弾の“I Walked With a Zombie”がどう
なるか注目したい。
* *
ドウェイン・ジョンスン主演の新作SF“Race to Witch
Mountain”が好評のアンディ・フィックマン監督が、2007年
8月15日付第141回で紹介したハナ=バーベラ・アニメーシ
ョン原作による実写版“Jonny Quest”を進めていることが
報告された。
ワーナーで進められているこの計画は、『ハイスクール・
ミュージカル』のザック・エフロンが主演を希望しているこ
とでも期待されていたものだが、その計画に新たにフィック
マン監督とジョンスンの共演が加わり、数年間の停滞が一気
に解消されそうだとのことだ。
物語は、科学者の父親と共に世界を旅する主人公ジョニー
・クェストが、インド人の義兄弟や愛犬のブルドッグと一緒
になって科学的な神秘の謎に挑んで行くというもの。オリジ
ナルのシリーズは1964年に1シーズンだけ放送されたものだ
が、その後の1980年代と90年代にもリメイクが行われた。
その作品にエフロンの主演となるものだが、実はそこに準
備された脚本を読んだジョンスンが、「こんな、信じられな
いようなアクションを描いた脚本には今まで出会ったことが
ない。こんなことができるんだ…」と絶賛したとのことで、
直ちにジョンスンが共演を希望し、フィックマン監督を巻き
込んでの計画が進められているようだ。
まだワーナー側の正式発表は出ていないが、この顔ぶれが
揃ったら…これは実現を目指して貰うしかないものだろう。
ハナ=バーベラ・アニメーション原作による実写版は、企画
ばかりでなかなか実現に至らないが、今度こそは何とかして
欲しいと思ってしまう。
ただしフィックマン監督には、この他にもパラマウントで
サラ・ミロノウスキー原作のヤング・アダルト小説“Gimme
a Call”(噴水に落とした携帯電話が、過去の自分に繋がっ
てしまう)や、ディズニーでグラフィックノヴェルが原作の
ファミリー・アドヴェンチャー“Monster Attack Network”
などの企画が目白押しとなっており、どの作品が先になるか
はまだ決まっていない。
どの作品も面白そうで、取り敢えずはヒット作を手掛けた
ディズニーでの計画が優先されそうだが、何でもいいから早
く実現して、次々映画化して行って貰いたいものだ。
04月01日(水)
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