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On the Production
by 井口健二
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■第177回
ため“Transformers”の製作はドリームワークスが続けて行
うことになる。しかし同社は先日、パラマウントからディズ
ニーへの移籍を発表したもので、この場合の優先権はどこに
あるのか、その権利主張が縺れると、最悪以後の続編の製作
が不能になってしまう恐れもあるようだ。
* *
1997年『ガタカ』、2002年『シモーヌ』が鮮烈な印象を残
すアンドリュー・ニコル監督が、2005年の『ロード・オブ・
ウォー』以来の監督作品として、近未来SFとされる“The
Cross”の計画を発表し、その映画化にオーランド・ブルー
ム、ヴァンサン・カッセルと『慰めの報酬』オルガ・キュリ
レンコの出演が報告されている。
物語は、神秘的な境界を描くもので、ブルームが演じるの
は誰も成しえなかったその境界越えを試みる男、カッセルは
それを阻止するために手段を選ばない境界の番人を演じると
のことだ。これだけでは何の話かさっぱり分からないが、全
体のテーマは近未来ものとなっており、それを前記の作品を
手掛けたアンドリュー・ニコルの脚本監督なら、相当のもの
が期待できそうだ。しかも製作費には2400万ドルが計上され
ており、主な撮影は7月にオーストラリアで開始されること
になっている。
因に、アンドリュー・ニコルは1998年にピーター・ウェア
が監督した『トゥルーマン・ショー』でオスカー脚本賞候補
になっているが、どの作品もかなり特異なシチュエーション
を現実のように描いているもので、その系列の中での今回の
作品は気になるところだ。
* *
最後に短いニュースをまとめて紹介しておこう。
まずは久々の名前で、ジョン・カーペンター監督が2001年
の『ゴースト・オブ・マーズ』以来の計画を発表している。
題名は“The Ward”。詳しい内容は不明だが、記事によると
ghost storyとのこと。インディーズのEcho Lakeの製作で、
主演には“Pineapple Express”というRレイトのコメディ
が評判になっているアンバー・ハードの起用も発表されてい
る。なお、Echo Lakeは昨年3月に紹介の『アウェイ・フロ
ム・ハー/君を想う』を製作した会社だそうだ。
昨年9月15日付第167回で紹介したアレン&アルバート・
ヒューズ兄弟監督による“The Book of Eli”の撮影が開始
され、以前に紹介した主演デンゼル・ワシントンに加えて、
ゲイリー・オールドマン、マイクル・ガンボンの共演が発表
されている。最終戦争後の世界を舞台に荒廃した各地を旅す
る主人公を描く作品には、他にもいろいろな登場人物が現れ
そうだ。なおワーナーが配給するこの作品の全米公開日は、
2010年1月15日に決定しているようだ。
『カジノ・ロワイヤル』『ライラの冒険』のエヴァ・グリ
ーンが、ハンガリー出身ベネデク・フリーガウフ監督による
初の英語作品に出演し、この作品“Womb”の内容が未来物と
紹介されている。具体的な内容は、グリーン扮する未亡人が
夫のクローン再生を試みるというものだそうで、共演にはB
BCの新作“Dr.Who”で主演を勝ち取ったマット・スミスの
起用も発表されている。撮影は今年3月に北海沿岸で開始さ
れる予定とのことだ。
1月15日付第175回で紹介したMcG監督の“20,000Leagues
Under the Sea: Captain Nemo”の映画化に関連して、前回
“Masters of the Universe”の記事にも登場したジャステ
ィン・マーカスが脚本のリライトを担当すると発表された。
ディズニーの製作で1954年作品のリメイクの面も持つこの作
品は、ネモ船長の人生を語るものにもなるようだが、そこに
『ストリートファイター/ザ・レジェンド・オブ・チュンリ
ー』の脚本家の起用は面白そうだ。期待したい
02月15日(日)
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