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On the Production
by 井口健二
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■第171回
来なくなった。従って製作ニュースの紹介はしますが、当面
作品の紹介はできなくなるのでご了承ください。
* *
新興のエッセンシャル・ピクチャーズという会社が、ダイ
アナ・ガバルドン原作の“Outlander”と題されたファンタ
シー・シリーズの映画化権を獲得し、シリーズ化を視野に入
れた映画化を進めることを発表した。
原作は日本でも第5話までの翻訳がされているようだが、
本国ではすでに第6話が出版され、7話目も執筆中とのこと
だ。内容は、18世紀にタイムスリップをした27歳の主婦を主
人公にしており、時間ものというより時代もののロマンティ
ック・アドヴェンチャーという感じの作品に見える。そして
この原作の第1話から、『ブレイブ・ハート』のランダル・
ウォレスが脚色を行っているとのことで、これは正に時代も
のの雰囲気になりそうだ。
因にエッセンシャルでは、製作費1000−4000万ドル程度の
作品を毎年2−3本製作する計画を持っているとのことで、
本作はその中では大作の方で映画化されそうだ。ウォレスの
脚色はすでに完成して、監督に回覧中となっており、撮影開
始は来年春に予定されている。
* *
エレクトロニック・アーツ(EA)社が開発中の新作ヴィ
デオゲーム“Dante's Inferno”の映画化権を、MGM、ニ
ューリジェンシー、パラマウントなどとの争奪戦の末にユニ
ヴァーサルが獲得し、来年に予定されているゲームの発売に
出来るだけ近い時期の映画化を目指すことになった。
発売前のゲームなので、その内容等は明らかにされていな
いが、上記の題名は確認され、地獄の奥深くを旅する物語で
あることは確かなようだ。そしてこの映画化に当っては、E
A側のゲームのクリエーターが直接映画化の開発にも関わる
とのことで、極めてゲームに密着した映画化が行われること
になりそうだ。なお争奪戦の末の契約金は、7桁($)に上る
とされている。
因にユニヴァーサルとEAでは、すでに“Army of Two”
という今年3月に発売されたゲームの映画化を進めており、
この作品は、『ボーン・アルティメイタム』のスコット・Z
・バーンズが脚本を担当して、2011年公開を目指している。
ヴィデオゲームの映画化もいろいろあるが、今回発表され
た“Dante's Inferno”の場合は、映像そのものにも特徴が
出てきそうな感じで、それをどのように映画に取り込むかに
も工夫が要りそうだ。映画に新風を吹き込む作品を期待した
い。
* *
最後に、10月1日付の第168回で紹介したロバート・ゼメ
キスのイメージ・ムーヴァースが映画化する“Airman”で、
原作者オーエン・コルファーによる“Artemis Fowl”シリー
ズの第6巻“The Time Paradox”の付録に付けられた第1章
をようやく読み終えた。
お話は、中世の雰囲気の漂うお城を舞台に、同年代のお姫
様に頭が上がらない少年が主人公というもの。一方、城の王
様は発明好きで、いろいろ怪しげな実験をしているのだが…
付録ではその第1章の内から城の尖塔が大炎上したり、その
中から奇跡的な脱出をしたりのアクションの連続で、これは
なかなかの読物になりそうだ。
また、主人公たちのキャラクターも映画向きの感じだし、
これは楽しみな作品。早期の実現を期待したいものだ。
11月15日(土)
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