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On the Production
by 井口健二
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■第168回
ヴィッド・ゴイヤーが参加しているとの情報もあったが、今
回の発表では脚本はプロトセヴィッチの単独となっている。
その物語は、父親オーディンによって地球に派遣された主
人公が、医学生となって人類について学びながら、あるとき
はヒーローThorとなって活躍するというもの。マーヴェル版
のSupermanといった感じにもなる作品だ。
そしてその監督に交渉されているブラナーは、ロイヤル・
シェークスピア・カンパニーでの演出も手掛けるイギリス演
劇界の正に重鎮だが、彼が1989年のアカデミー賞で監督及び
主演賞の候補になって注目された『ヘンリー5世』は、その
アクション演出などで、『アイアンマン』のジョン・ファヴ
ロー監督や、『バットマン・ビギンズ』のクリストファー・
ノーラン監督からも手本にしたと称されており、ある意味、
本家帰りとも言える監督交渉となっているものだ。
なお計画では、2010年7月16日の公開予定とされており、
撮影は来年中に行われる。そして配給は、アメリカ国内をパ
ラマウントが担当する。ただし、日本は別契約となっている
ようだ。
因に、上記したようにドリームワークスに離脱されたパラ
マウントでは、マーヴェルへの接近を強力に進めているよう
で、すでに“Irin Man 2”の公開を2010年5月7日と発表し
た他、2011年には“The First Avenger: Captain America”
を5月6日、“The Avengers”を7月15日に公開するとも発
表しているものだ。
* *
最後は、短いニュースを3つほど紹介しておこう。
ワーナーが、ウィル・スミス主演“I Am Legend”の前日
譚を製作すると発表した。昨年公開されたオリジナルは、全
世界で5億8400万ドルの興行収入を挙げたものだが、作品の
展開上、スミスの主演で物語を発展させるためにはこれしか
方法がなかったようだ。従って、主演にはスミスが復帰し、
監督のフランシス・ローレンスも再登板する計画となってい
る。物語は、伝染病の発生から主人公が独りぼっちになるま
でを描くということで、前作で端折られた部分を克明に描く
ことになる。脚本には、D・B・ウェイスという人が起用さ
れているが、この脚本家は、2006年11月15日付第123回でも
紹介したように、頓挫した“Helo”や“Ender's Game”にも
参加していた人だ。
コロムビアが進める“Spider-Man”の続編で、4と5の製
作が決定し、主演のトビー・マクガイアには何と5000万ドル
の出演料が支払われるとの噂が流れている。これは新記録に
なるもののようだが、さらにこの契約では、「撮影中も毎日
の朝晩に幼い娘と遊ぶ時間も設ける」という付帯条件もある
とのことで、何とも破格の契約のようだ。一方、キルスティ
ン・ダンストが演じたメリー・ジェーン・ワトスンに関して
は、女優は出演を希望しているものの、役柄を物語に登場さ
せるかどうかは検討中とされており、シリーズに変化を付け
るための設定変更の可能性はあるようだ。なお脚本は、『ゾ
ディアック』などのジェームズ・ヴァンダービルトが初稿を
担当したとされている。
今年5月15日付第159回で紹介したトライベカ映画祭グラ
ンプリ作品“Let den ratte komma in”の英語リメイクに、
『クローバーフィールド』のマット・リーヴス監督の起用が
発表された。オリジナルはスウェーデン製作で、そのリメイ
ク権を昨年復活したホラー映画の老舗ハマー・フィルムスが
獲得したことでも話題になった作品だ。なおリーヴスは脚本
と監督を契約しており、その脚本はこれから手掛けるようだ
が、公開は来年の予定となっている。コケ脅しの利かないヴ
ァンパイア映画でどんな手腕が発揮されるかも楽しみだ。
10月01日(水)
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