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On the Production
by 井口健二
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■そして私たちは愛に帰る、TOKYO JOE、デス・レース、永遠のこどもたち、ティンカー・ベル、ディー・ウォーズ、ラット・フィンク
を生み出すという好循環。しかしいろいろな規制も始まり、
それに反発するロスは、ディズニーへのアンチテーゼとして
凶悪なラット・フィンクを生み出す。
ところがこれも大ヒット。さらにその仲間のモンスターたち
も加わって、そのモンスターたちの乗る改造車のデザインが
玩具化されて行く。こうして人気を博し続けたエド・ロスは
アメリカン・カルチャーの最大の立て役者の1人とも言える
ものだ。
そのエド・ロスの生涯が、当時の記録映像やスチル写真を巧
みにアニメートした映像で綴られる。その中には、ラット・
フィンクが初めて動画で活躍するシーンも登場する。
映画には死去の6カ月前の元気な姿まで登場するが、死ぬ直
前まで成功者であり続けた男の幸せな生涯が描かれる。それ
はともすれば嫌みにもなりがちなものだが、本作のエド・ロ
スは常に反骨の精神を持ち続け、その点では爽やかな感じに
もなっている。
なお、ナレーション=エド・ロスの声を、『スピード・レー
サー』などのジョン・グッドマンが担当。
他にアン・マーグレット、『アメリカン・グラフィティ』の
ポール・ルマット、番組ホストのジェイ・レノ、作家のトム
・ウルフ、ビーチ・ボーイズのブライアン・ウィルスン、W
WFのスティーヴ・オースチンらがエド・ロス作の自動車の
声優で共演している。
アニメートの映像も見事だし、エド・ロス本人の全てを描く
には最良の方法、作品だと言えるかも知れない。
ただ、公開もDVDで行われるようだが、試写会では肝心な
ところで画面が停止し、その間の数10秒がスキップしてしま
った。フィルム上映では停止は明白に判るが、DVDでは映
像を注意して追っていないと、立ち会った配給会社の担当者
も気付かなかったようだ。
一般上映も同じディスクで行うと、同じ障害が発生する恐れ
が強いので、これは気をつけてもらいたい。原因はディスク
の汚れか何かだと思われるが、誰かがプレーヤーのカウンタ
ーを監視していれば判るはずのことなので、よろしくお願い
したいものだ。

09月28日(日)
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