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On the Production
by 井口健二
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■ヘルボーイ2、アラトリステ、草原の女、きつねと私の12ヶ月、252、ロック誕生、ザ・ムーン、ブラインドネス(追記)
なども、飛行士たちの生の声で語られる。それらにも興味深
いものがあった。
ただし、アポロ13号の顛末に関しては比較的軽く流されてい
るのは、本作のプレゼンターが『アポロ13』のロン・ハワー
ド監督のせいなのだろうか?
何れにしても、スペースシャトルや国際宇宙ステーションへ
の関心も今一つ盛り上がらない昨今、月への国際協力による
再上陸や、火星への有人飛行は実現するものなのか。本作を
観ながらそんなことも考えさせられた。
この作品の公開で、宇宙への関心が少しでも盛り上がること
を期待したいものだ。
        *         *
『ブラインドネス』(追記)
8月17日付で紹介したこの作品について、試写を見直したと
ころ興味深い話しを教えてもらった。
この作品は、カンヌ映画祭でプレミア上映されたものだが、
実はその時の編集ではダニー・グローヴァーのナレーション
がうざったいほどに挿入されていたのだそうだ。そこでそれ
では駄目ということになり、メイレレス監督がナレーション
を半分以下にする再編集に着手。その結果が今回公開される
ヴァージョンとのこと。
この話を聞いて思い出すのは、『2001年宇宙の旅』が、当初
のクラークの脚本ではナレーションが多数入っていたものを
クーブリックがすべて削除したことだ。今回の作品で原作者
からは、「絶対にSFにしないでくれ」という注文もあった
そうだが、SFであってもなくても、ナレーションを少なく
することが名作への第1歩ということはありそうだ。
そう言えば、チャーリー・カウフマン脚本の『アダプテーシ
ョン』でも、「ナレーションで説明するのは最低のやり方」
というような台詞があったと思うが、それは真理のようだ。
もちろんそれは作品の内容にもよるものだが。

09月14日(日)
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