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On the Production
by 井口健二
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■第166回
れたもので、2004年の『チャッキーの種』なども手掛けた同
社では、初めてのブロックバスターヒットとなった作品。因
に製作費は900万ドルで、全米興行収入は5400万ドルを稼ぎ
出したそうだ。
物語は、人里離れた家にヴァケイションに訪れたタイラー
たちのカップルが、謎の襲撃者たちに襲われるというもの。
典型的なジャンル・ムーヴィという感じだが、取り敢えず最
後まで生き残ったらしいタイラーには、続編への出演も期待
されているようだ。
脚本と監督はイタリア出身のブライアン・ベルティーノ。
ベルティーノには、まず続編の脚本が依頼されており、前作
で監督デビューを飾った脚本家が、再度続編を監督する可能
性もあるようだ。撮影は2009年の初旬に開始の計画になって
いる。
なおベルティーノは、現在は監督第2作となる予定の超常
現象の絡むヒーロー物のスリラー“Black”という作品の脚
本を執筆中で、その後には“Alone”という作品も全てロー
グの製作で計画されており、今回の続編はそれらの間を縫っ
て製作されるようだ。
ただし日本では、ヒットした“The Strangers”の公開は
未定。取り敢えずは東宝東和が優先権を持つものと思うが、
かなり強烈な恐怖シーンの展開される作品のようで、できれ
ばどこかが買って公開して欲しいものだ。
* *
続編の情報の最後は前日譚で、待望の“The Hobbit”の製
作に、ピーター・ジャクスン、フラン・ウォルシュ、フィリ
ッパ・ボイエンスと、ニューラインとの正式契約が公表され
た。
この計画に関しては、ギレルモ・デル=トロが脚本と監督
を手掛けることはかなり以前に紹介されていたが、ジャクス
ンらとの正式契約はまだだったようだ。そして今回の契約公
表に合わせて、2本の作品の製作が2009年後半に開始され、
公開は2011年と12年に連続して行うことも、正式に発表され
ている。
また2作品は、その第1部で、若きビルボ・バギンズがガ
ンダルフに促されて失われた宝物を捜しに行く物語(つまり
JRRトーキンの原作に沿ったもの)が語られ、第2部で、
その後の『旅の仲間』までの60年間が語られることも公式に
発表されたようだ。
なおデル=トロは、この他“Frankenstein”“Dr.Jekyll
and Mr,Hyde”“Slaughterhouse-Five”のリメイクや、ダン
・シモンズ原作で来春刊行予定のスリラー小説“Drood”の
映画化。さらに、H・P・ラヴクラフトの原作を映画化する
“At the Mountain of Madness”の監督計画なども抱えてい
て、すでに2017年までのスケジュールが満杯とのことだ。
* *
最後にもう1本、“The Mountain”という作品の計画が、
レジェンダリー・ピクチャーズから発表された。
この作品は、都会から山間部に派遣された保安官を主人公
としたもの。彼の任務は、続発するハイカーの行方事件を捜
査するものだったが、そこで怪しげな事態に遭遇する…とい
うお話だ。これだけならただのスリラーというところだが、
その製作者が『ザ・リング』や『呪怨』のアメリカ版を手掛
けた人たちだということで興味を引かれた。
また脚本家のジェイスン・ロスウェルは、ジョニー・デッ
プ主宰のインフィニタム・ニヒルが、ワーナーで進めている
“The Glass Books of the Dreameaters”というスリラー作
品や、『不思議の国のアリス』の現代化して現在イギリスで
撮影中の“Malice in Wonderland”などを手掛けているとの
ことで、これもちょっと気にしておきたい作品だ。
* *
今回は夏枯れなのか新規な情報があまりなかった。次回は
もう少しいろいろな話題が出てきそうなので、乞う御期待。
09月01日(月)
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