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On the Production
by 井口健二
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■第164回
から“Stealing Time”と題された計画が発表されている。
 物語は、3世代に渡る男たちが、世界を舞台にアンチキテ
ラ・メカニズムと呼ばれる古代の装置の秘密を探ろうという
もの。それはタイムトラヴェルを可能にするキーアイテムと
考えられていたが…というお話のようだ。
 計画は、2006年1月1日付の第102回で紹介した教育裁判
映画“The Crusaders”なども手掛けるボブ・クーパーが、
1996年にトライスター映画の経営者だった頃から進めていた
もので、現コロムビアの共同経営者の1人で個人ではヴィデ
オゲーム“Monster Hunter”の映画化なども進めているダグ
・ベルガードと、『ナショナル・トレジャー』の原案と製作
総指揮も務めたチャールズ・セガースらが参加して企画を立
上げたというものだ。
 そして、脚本はドリームワークスで“Tester”という作品
を担当しているコリン・トレヴォローが執筆し、監督はMG
Mで“The Zookeeper”という作品を進めているウォルト・
ベッカーが担当することになっている。この流れからいうと
コメディ作品のようだが、何故かブームになってきているタ
イムトラヴェル物とのことで、注目しておきたい作品だ。
 なお上記の“The Crusaders”に関しては、現在は『シー
ビスケット』のゲイリー・ロス監督、トビー・マクガイアの
製作総指揮・主演によって、ユニヴァーサルで製作準備が進
められているようだ。
        *         *
 アジア発の話題で、韓国のオデッセイ・ピクチャーズと、
フランスのAJOZフィルムスの共同出資による“The Qin
Shi Huang Project”という作品が、総製作費3000万ドルで
進められることになった。
 この作品は、韓国の作家ヨー・ガンスによる受賞作の映画
化ということだが、題名中のQin Shi Huangというのは秦の
始皇帝のことで、彼が追い求めた不老不死の薬草を巡って、
古代の中国と現代の韓国ソウルが交錯する物語とのことだ。
そして現代の物語は、連続殺人事件を追うアジア系アメリカ
人の刑事を主人公に、中国、韓国、日本を縦断する展開にな
るようだ。また台詞は全て英語で行うとされている。
 監督などは未定だが、基本的にはフランスの出資、韓国で
の製作となる計画のようで、物語の展開からは日本の俳優な
どの出演もありそうだ。それに基本となる秦の始皇帝の物語
は、『ハムナプトラ3』で知られたものにもなりそうで、こ
れはタイミングの良い計画となる。できればあまり時間を掛
けずに製作開始に漕ぎ着けれてもらいたいものだ。
        *         *
 最後に映画館の情報で、東京地区では常設館が無くなって
いたIMAXシアターが、新たに東京近郊で少なくとも2館開設
されることが発表された。
 これは、東急レクリエーションが展開する109シネマズ
・チェーンが運営するもので、最新型のIMAX Digitalシアタ
ー・スシテムを導入して、その1館目は年末までに川崎市に
開館、続いて2009年春までに埼玉県菖蒲町と、さらに全国の
109シネマズに順次開館して行くとのことだ。
 因に『ダーク・ナイト』では、一部のシーンがIMAXで撮影
されていて、IMAXシアターでの上映ではそのシーンになると
IMAXスクリーンの一杯に映像が写し出されるとのこと。年末
の開館では多少時間遅れにはなるが、ぜひともそれは上映し
てもらいたいものだ。この他、IMAX-3Dも当然上映可能とな
るもので、以前に紹介した『ブルー・オアシス』などの上映
もお願いしたい。
 最初に書いたReal-3D、Dolby-3Dも含めて、映画館の状況
は極めてお寒い日本だが、これでようやく少し光明が観えて
きたようだ。

08月01日(金)
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