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On the Production
by 井口健二
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■ハード・リベンジ、俺たちダンクシューター、アイアンマン、レス・ポール、能登の花ヨメ、歌え!パパイヤ、The 11th Hour、空想の森
なり高いものの、森林破壊ではほとんど日本列島は破壊され
ていないとなっていた。
宅地開発などで日本の森林破壊も相当進んでいると思ってい
たが、世界の破壊の規模はそんなものではないようで、その
ギャップを知るだけでも価値のある作品のように思えた。
なお、本作は日本では一般公開はされず、今後は学園祭など
でイヴェント的に上映されるとのことだ。ディカプリオ自身
もちゃんと画面にも出てくるので、興味のある人には観ても
らいたいものだ。

『空想の森』
北海道の開拓村に生きる人々の生活を7年の歳月に亙って追
ったドキュメンタリー作品。
監督の田代陽子は、1996年、北海道のほぼ真中に位置する上
川郡新得町で開催された映画祭(SHINTOKU空想の森映画祭)
で初めてドキュメンタリー映画を観て、この作品を撮ってみ
ようと思い立ったのだそうだ。
その題材は、元々が開拓者の村である新得町に暮らす人々を
写すというものだが、そこには取り立ててドラマになるよう
なものは考えていなかったようだ。しかし撮り進めて行くう
ちに、淡々とした農業の暮らしの中にもあるいろいろなドラ
マが見えてくる。
その中心に描かれるのは、共働学舎と呼ばれる農場。そこで
は心や体に障害を持つ人や社会に馴染めない人たちが、農業
に携わりながら共働生活を送っている。そこで13年暮らしな
がら、結婚し子供も儲けた女性を中心に映像は進んで行く。
そこには、健常者である彼女の一家が学舎から独立するべき
か否かの問題なども描かれるが、基本的には土を相手にした
農業の生活が、苦労も多いのだろうなあと思わせつつ、楽し
げに描かれているものだ。
日曜日の夕餉時に男性タレントのグループが農業をしている
テレビ番組が、かなり長期のシリーズになっているが、都会
に暮らすものにとっては、このような農業の生活というのは
ある種の憧れのようにも映る。
でも、現実の厳しさもすぐに見えてしまうもので、それは特
に男のロマンではあっても、現実的には実現は難しいものの
ようにも見える。しかしここでは、女性たちがそれを実行し
ている。その裏にある事情などは、あまり克明には描かれな
いが、それでもそこに満足している彼女たちの姿には、女性
監督の目が活きている感じもした。
その他にも、共働学舎の近くで独立して農業を営んでいる一
家や、映画祭の様子なども織りまぜながら、厳しい自然に囲
まれた、それなりに豊かな生活が描かれる。
ただ、映画を観ながら監督の立場が気になった。それは、部
外者であるほどにはドライではなく、また部内者のようにべ
ったりしたところもない。それがほぼ中庸で良い感じの面も
あるが、逆に現実を捉え切れていないのではないかという不
安も感じられた。
もう少し監督の立場を明確にしたら、どういう作品ができた
のだろうか。

06月22日(日)
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