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On the Production
by 井口健二
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■第160回
なども手掛けるサミット・エンターテインメントが、1986年
にラッセル・マルケイ監督でスタートしたファンタシー・シ
リーズ“Highlander”のリメイク権獲得を発表した。
 オリジナルは、クリストファー・ランバート、ショーン・
コネリーの共演で、謎の賞品を目指して永遠の戦いを繰り広
げる不死者たちの争いが描かれた。その後、物語はシリーズ
化され、その経緯は2004年9月15日付の第71回でも紹介した
ものだ。因にこのとき紹介した“Highlander: The Source”
とアニメーション作品は、それぞれ昨年6月と8月にイギリ
スで一般公開されており、この内“Highlander: The Search
for Venegeance”と題されたアニメーション作品は、今年の
7月に日本公開も予定されているようだ。
 そのシリーズのリメイク権だが、つまり計画はシリーズを
継続するのではなく1から始め直すもので、その脚本家に、
『アイアンマン』を手掛けたアート・マルカム、マット・ホ
ロウェイとの契約も発表されている。そして物語は、オリジ
ナルと同じく現代と中世のスコットランドを背景にするが、
オリジナルよりも広く世界中が舞台になるような展開が考え
られているそうだ。
 因にサミット社では、年間10−12本程度の中規模の作品を
配給して行く計画とのことで、本作もその一環となる作品だ
が、本作には特にシリーズ化の期待も持たれているものだ。
        *         *
 後は短いニュースをまとめておこう。
 2006年のヒューゴー賞長編部門を受賞したロバート・チャ
ールズ・ウィルスン作“Spin”の映画化権が、『最高の人生
の見つけかた』で主治医役を演じていたロブ・モロー主宰の
プロダクションと契約されたことが発表された。原作の物語
は、火星での生命の発見によって引き起こされた『スピン』
と呼ばれる人類滅亡の危機に対抗する若い科学者を描いたも
のとのことで、これだけでは何かさっぱり判らないが、原作
はこの後に“Axis”“Vortex”と続く3部作の第1話のよう
だ。因にモローは、2000年に“Maze”という作品の脚本、監
督、主演で映画祭の受賞なども果たしており、本作でも同様
の関わりが考えられる。
 フィリップ・K・ディック原作“Ubik”の映画化権が、昨
年10月に紹介した『ペルセポリス』などを手掛けるセルロイ
ド・ドリームスと契約され、2009年の製作を目指して進めら
れることになった。この原作の映画化については、昨年10月
15日付の第145回でも報告しているが、その時の状況とはち
ょっと違ってきているようだ。しかし、製作にディックの娘
さん達が参加していることは変わりないもので、その1人の
アイサ・ディック・ハケットからは「この作品は父が最も映
像化を希望していたもので、実現できることになって最高に
幸せ」というコメントも発表されていた。前回の報告との関
係がどうなっているか不明だが、問題ないことを祈りたい。
 今年のカンヌ映画祭コンペティションで上映されたアルゼ
ンチン映画“La Mujer sin cabeza”(The Headless Woman)
で脚本、監督を手掛けたルクレシア・マーテルが、次回作に
エイリアン侵略ものを計画している。“El eternauta”と題
された物語は、ブエノスアイレスが大雪に襲われるところか
ら始まり、それを生き延びた人々がエイリアンの侵略者や、
彼らが繰り出す巨大昆虫との戦いを繰り広げるというもの。
大掛かりなセットとVFXが駆使された作品になるそうだ。
南米の映画界もいろいろ面白そうで、日本でもぜひ公開して
欲しいものだ。
        *         *
 3月23日付で少し書いた熊本遠征記を、4月13日と20日付
の最後に掲載しましたので、興味のある方はご覧ください。

06月01日(日)
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