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On the Production
by 井口健二
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■第159回
によって所有の権利が買収されて再建が行われているもの、
もちろんライブラリーからのリメイク権も多数保有している
もので、今回の発表ではホラーの老舗が復活の狼煙を上げた
ことにもなりそうだ。
        *         *
 ワーナーから、“The Ditch”と題されたオリジナル脚本
の権利を獲得したことが発表された。
 この脚本は、MTVやドキュメンタリーの製作者サッシャ
・ペンが手掛けたもので、物語の背景は未来。木星の衛星に
設置された最高級のセキュリティを有する監獄を舞台に、看
守の家族が人質に取られ、その日に処刑の予定だったテロリ
ストの解放が要求される…というお話だそうだ。
 木星の衛星が舞台というと、1981年に公開されたショーン
・コネリー主演『アウトランド』が思い浮かぶが、宇宙西部
劇とも呼ばれたこの作品で、この領域はいわゆる辺境の町と
いうイメージで使われていたものだ。それ自体安易な発想の
ようにも思えるが、実際のところ小惑星帯の外側で、木星も
含めそれより先は土星、天王星、海王星など大惑星の領域と
なると、そのイメージも間違いではないだろう。そんな辺境
を舞台に、今回はどんなドラマが展開されるのだろうか。
 因にペンは、2005年にドイツで製作された“Antikorper”
(Antibodies)という連続殺人鬼を描いたホラーサスペンス
の英語版リメイクの脚色なども手掛けているようだ。
        *         *
 『パイレーツ・オブ・カリビアン』などのゴア・ヴァビン
スキー監督の計画で、“Bioshock”と題されたヴィデオゲー
ムの映画化を、ユニヴァーサルで進めることが発表された。
 オリジナルのゲームは、昨年発表されて200万本を越す売
り上げを記録し、さらに各種の賞も受賞するなど高い評価を
受けた作品だそうだ。その作品の映画化権をユニヴァーサル
が獲得したものだが、その契約金額は数100万ドルとも言わ
れ、これはマイクロソフト社とユニヴァーサル及びフォック
スで結ばれた“Halo”の契約(500万ドル)に次ぐものと言
われている。
 物語は、人々が自由な生活を送っている未来の海底都市を
舞台に、偶然の事故からその海底都市に隠された秘密が明ら
かにされて行くというもの。ユートピアが崩壊して行くドラ
マを描いたかなり物語性の強い作品とのことだ。
 そしてその映画化を、ヴァビンスキーの製作監督で進める
ものだが、脚本にはジョン・ローガンの起用も話し合われて
いるとのことで、かなり大型の作品になりそうだ。少なくと
も上記の契約金に見合うには、かなりの規模の作品になるこ
とは間違いない。
 製作時期などは未発表だが、注目して置きたい作品だ。
        *         *
 最後にMGMの計画で、“Executive VP David M.Murch's
Adventure in Zametherea”というオリジナルのコメディ作
品の権利を獲得したことが発表された。
 この作品は、1999年に“Freak Talks About Sex”という
作品を発表しているピーター・スピークマンとマイクル・M
・B・ギャルヴィンのコンビが執筆したもので、現代版『オ
ズの魔法使い』とも呼ばれている。
 内容は、仕事重視で冷酷な証券マンの男性が、疎遠になっ
ている10歳の息子を救出するため、子供の頃に訪れた魔法の
国を再訪しなければならなくなるというもの。そのままスト
レートのドラマにしても良さそうなお話だが、さらにそれが
コメディになっているようだ。
 監督は未定だが、製作に『シューテム・アップ』を手掛け
たリック・ベネイタールの名前があるのも気になる作品だ。
 なおMGMでは、前々回紹介したように元ユニヴァーサル
のメアリー・パレントを新代表に招いて、いろいろ活発に動
き始めているようだ。

05月15日(木)
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