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On the Production
by 井口健二
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■第158回
本作で異星人はサンタモニカに上陸し、ロサンゼルスを目指
して東進してくるということだ。何ともローカルな設定の作
品だが、それだけリアルな映像化も求められることにもなる
もので、CGIの時代には好適の作品と言えそうだ。
 実は、先日公開された『クローバーフィールド』では、当
初の予告編の印象で侵略ものを期待したこともあって、本編
を観たときにはちょっとがっかりしたが、今度はそれが満足
できそうだ。コメディかシリアスかも定かではないが、サン
タモニカ大通りを進軍してくる異星人軍団というのも映像が
浮かんで来そうで、出来るだけリアルなものを期待したいと
ころだ。
        *         *
 続いては、2005年12月29日付けで紹介した『ジャケット』
などのサミット・エンターテインメントが、“Arena”と題
されたアクションSFスリラーの脚本を契約した。
 この脚本は、トビー・ワグスタッフとダレン・ハウェルと
いう新人脚本家のコンビが執筆したもので、物語は、現代の
兵士のグループが不思議な力によって地球とは似て非なる風
景の場所に移動させられ、そこでいろいろな場所や時代から
集められた戦士たちと命を掛けた闘いをしなければならなく
なる…というもの。
 「アリーナ」テーマというのは、『宇宙大作戦』の第1シ
ーズンにも同じ題名の付けられたエピソードがあるくらいの
ものだが、グループ戦というのはちょっと新機軸になりそう
で、またいろいろな場所や時代から集められた戦士たちとい
うのも、地球の歴史の中からだと面白いものになりそうだ。
つまり現代の兵士たちは、スパルタ軍やモンゴル軍と闘うこ
とになるのかな?でも、時代考証や、特に戦術の考証なども
大変になりそうで、頑張って良い作品を作ってもらいたいも
のだ。
        *         *
 お次はリメイクで、1978年ジョー・ダンテ監督で映画化さ
れた“Piranha”(ピラニア)ではなく、1981年ジェームズ
・キャメロン監督の長編デビュー作の“Piranha Part Two:
The Spawning”(殺人魚フライングキラー)を、『ハイテン
ション』などのアレクサンドル・アジャ監督で3Dリメイク
する計画が発表されている。
 オリジナルは、何と言ってもピラニアと飛び魚を合体させ
るという凄まじいアイデアが見事に描かれたもので、そのピ
ラニアが空中を飛んでガラス窓などを打ち破ってくる様は、
これは3Dで観たくなったものだ。もちろんそれは、1981年
当時の技術では難しかったが、今のCGI技術でなら充分に
実現できる。それをアジャ監督が行う。
 因に、リメイクはR指定を承知で進めるとのことで、最近
の3D映画では初めてお子様の入場が制限される作品になり
そうだ。製作はディメンション。全米公開は2009年7月24日
に決定となっている。
 なお、これに伴いアジャ監督は、先に計画されていたスプ
ラッターホラー“Silent Night, Deadly Night”のリメイク
からは降板したようだ。
        *         *
 最後にもう1本。
 2004年のサンダンス映画祭などで評判になったSF短編映
画“Tomo”が、オリジナルを手掛けたポール・キャトリング
監督の手で長編リメイクされることになった。物語は、氷の
惑星に不時着した男女2人の宇宙パイロットによるサヴァイ
ヴァル劇を描いたもの。オリジナルはサンダンスとボストン
映画祭でも批評家賞の受賞を果たしている。
 その長編版は、イギリスに本拠を置くシーソー・フィルム
スの製作で進められ、今年の後半にノルウェーとイギリスで
撮影されるとのことだ。なお製作者には、2007年のカンヌ映
画祭でカメラドールに輝いた『コントロール』なども手掛け
たイーアン・カニングが名を連ねている。
 イギリス公開は、2009年に予定されている。

05月01日(木)
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