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On the Production
by 井口健二
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■セルラー・シンドローム、バカバカンス、敵こそ我が友、キング・ナレスワン、ミー・マイセルフ、ST3、シチズン・ドッグ、ダイブ!
まあ、監督に言いたいことも判るし、映画の全体の雰囲気は
悪いものではない。観れば観たなりにいろいろ感じることの
できる作品だろう。その辺が好きな人には、堪らなく好きに
なりそうな作品でもある。
なお今回の映画祭では、2007年1月9日に紹介した『ヌーヒ
ン』も上映される。今回の試写は観なかったが、1年以上も
前の印象がまだしっかりと残っている作品で楽しめた記憶も
確かなものだ。ただ以前に紹介したとき主演を子役と書いた
のは、今回の情報によるとそこそこの年齢の女優さんだった
ようで、その点は訂正しておく。
この他にタイ式シネマ・パラダイスでは、『アルティメット
・エージェント』というコミカルアクション作品も上映され
て長編は全部で8本。さらに回顧上映やCM集の上映、また
アーティストによるライヴパフォーマンスやトークショウ、
ティーチインなども行われることになっている。
『ダイブ‼』
オリンピック種目でもある飛び込み競技を描いた直木賞作家
・森絵都原作の青春小説の映画化。角川文庫創刊60周年記念
作品。
主人公は子供の頃に偶然飛び込み台を見て、その姿に憧れて
企業がスポンサードするクラブに所属している。そのクラブ
には父親が競技者だったサラブレッドの選手もいるが、実は
クラブの経営は赤字で閉鎖寸前の状態にある。
そんなクラブに、アメリカで学んできたという女性コーチが
やってくる。彼女は、オリンピック代表選手を出すことを条
件に、そのクラブの存続を企業に約束させたのだという。そ
して彼女は、主人公を名指しで特訓を開始する。
さらにそのクラブには、彼女が青森からスカウトしてきた野
性児のような選手もやってくる。こうして、サラブレッドの
選手を含めた3人の切磋琢磨が開始される。
基本的に天賦の才能を持った選手たちの物語で、変な根性ド
ラマなどは介在しない。そういう中でのかなり素直な子供た
ちが頑張るお話。これは観ていて気持ちの良いものだ。しか
も、それなりにいろいろなドラマがあるのには感心するとこ
ろだった。
それと、飛び込みという競技に関して今まで知らなかったこ
とが勉強できたのも面白かった。特に、特異な採点システム
などが丁寧に説明されているのは、オリンピックイヤーの公
開にはちょうど良い感じのものだ。
出演は、『ちーちゃんは悠久の向こう』の林遣都、『ラスト
サムライ』の池松壮亮、ジュノン・スーパーボーイ・コンテ
ストでグランプリ受賞の溝端淳平。他に、瀬戸朝香、蓮佛美
沙子、光石研らが共演している。
なお主演の3人は、猛特訓の末に実際に高さ10mからの飛び
込みも実演しているとのことだが、さらに本作では、その姿
が最新の技術で見事に撮影されている。
この撮影は、『スパイダーマン』の撮影にも使用されたワイ
アー操作の空中撮影システムSpidercamで行われたもので、
高さ10mの飛び込み台に立つ彼らの周囲を旋回する映像は、
特に屋外プールのシーンでは大きく広がる風景の中で最高の
効果を上げていた。
04月27日(日)
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