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On the Production
by 井口健二
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■P2、パーク・アンド…、西の魔女が…、ノー・カントリー、幻影師…、悲しみの乾くまで、センター・オブ・ジ・アース(特)、88ミニッツ
フ方式のようだが、現状では詳細は秘密にされている。アナ
グリフ方式も最近では、従来の赤青より進化したブルー×ア
ンバーのシステムも報告されており、その詳細を早く知りた
いところだ。
それから、一緒に紹介された宣伝戦略では、イヴェントムー
ヴィ、デートムーヴィ、ファミリーピクチャーとして5〜40
歳の男女がターゲットとされていた。しかし、ヴェルヌの原
作を読んで育った世代は50歳以上にも多いはず。
予告編には地底に携帯電話が掛かってくるなどの描写はある
にしても、物語のテーマからいって、原作からあまりかけ離
れた作品になるとも思えないし、ここはぜひとも、50歳以上
の観客を映画館に引き戻す切っ掛けの作品としてもアピール
してもらいたいものだ。

『88ミニッツ』“88: 88 Minutes”
1995年公開『8月のメモワール』などのジョン・アネット監
督が、アル・パチーノと組んだ犯罪スリラー。パチーノ扮す
る犯罪心理学者が、過去に関った犯罪者の死刑執行の日に、
突然「残された時間は88分間だ」と告げる電話を受ける。
映画の上映時間は107分だが、その中の88分間はほぼ実時間
で物語が進行する。その限定された時間の中で、自分に降り
かかる冤罪の火の粉を振り払いながら、真犯人を追求して行
く主人公の行動が描かれる。
監督と主演がベテラン+ベテランの顔合せを納得させる映画
で、存分に楽しめるサスペンス一杯の作品になっている。特
にパチーノが、ちょっととぼけながら核心を突いて行く演技
は、正にベテランの味という感じのものだ。
それに、携帯電話も駆使した現代的な犯罪実行の手口や、そ
の裏を掻く主人公の推理などの描き方も納得できるもので、
さらにいろいろな仕掛けなどもよく考えて作られている。
なお、脚本のゲイリー・スコット・トムプスンは、2000年の
『インビジブル』や、2001年の『ワイルド・スピード』など
も手掛けた人のようだ。
共演は、『ママが泣いた日』のアリシア・ウィット、『美し
い人』のエイミー・ブレネマン、『ディープ・インパクト』
のリリー・ソビエスキー、『クラッシュ』のデボラ=カーラ
・アンガー。女優たちが見事なアンサンブルを繰り広げる。
他に、2002年『容疑者』のウィリアム・フォーサイス、『父
親たちの星条旗』のニール・マクドノー、テレビの『The O.
C.』のベンジャミン・マッケンジーらが共演。
実時間で進行する作品は最近いろいろ増えてきているが、や
はりトリッキーな作品であることは変りがない。しかしそこ
にパチーノクラスの俳優が出てくると、それなりに締まりの
ある面白い作品ができあがるものだ。
それにしてもパチーノは、2002年の『シモーヌ』や、2003年
の『リクルート』など、いわゆる大作ではない捻った作品に
好んで出ているようで、彼の作品にはいつも驚かされるし、
面白くも観てしまう。

03月09日(日)
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