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On the Production
by 井口健二
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■桃まつり真夜中の宴、フィクサー、燃えよ!ピンポン、アメリカを売った男、ブラブラバンバン、NAKBA、王妃の紋章
は優れぬ体調の中、重陽節の衣裳に付ける菊の刺繍を続けて
いるが、その刺繍にも何か秘密があるようだ。
その王妃は血の繋がらない皇太子と密会を続けており、皇太
子は宮廷医の娘と宮殿を脱出する相談をしている。そして、
北方の戦地から戻った第2王子は、国王から一言の忠告を受
けるが、再会した実母王妃の衰えた姿にショックを受ける。
監督は、アクションの中にも人間ドラマを描くことを目指し
たとしており、かなり濃密な人間ドラマが描かれる。しかし
物語の展開は明瞭で、特に本作では外交が絡まないから中国
の歴史を知らなくても判りやすいものになっている。因に、
映画に登場する王国は架空のものだそうだ。
そしてこの物語が、『アンナと王様』のチョウ・ユンファと
『SAYURI』のコン・リーの共演で映画化された。世界
の映画界で活躍する2人だが、意外なことに共演は初めてだ
そうで、それも話題になっている。
他に、チェン・カイコー監督『PROMISE』などに出演
のリウ・イェ、台湾出身の人気ポップスター=ジェイ・チョ
ウらが共演している。
正に豪華絢爛という感じの宮廷セットから、空中戦も登場す
る華麗なアクションシーン、そして数千の兵士が画面を埋め
尽くす大群衆シーンなど、中国映画の極致とも言える作品。
さすが北京オリンピックの総合演出も任せられたイーモウ監
督というところだ。
本作が見事な娯楽作品であることは間違いない。ただ、娯楽
アクション映画ももちろん良いのだけれど、これでは監督が
『初恋のきた道』に戻ることは当分できそうにないのかな。
ちょっとそんなことも考えてしまった。

02月03日(日)
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