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On the Production
by 井口健二
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■シナモン+、東京少女、ちーちゃんは…、アドリブナイト、はじらい、4ヶ月3週と2日、ジプシー・キャラバン、アイ・アム・レジェンド
れなりに理解を深めることはできる作品だった。

『アイ・アム・レジェンド』“I Am Legend”
リチャード・マシスン原作の3度目の映画化。前作ではヴィ
ンセント・プライス、チャールトン・ヘントンが演じた主人
公ロバート・ネビルに、『インディペンデンス・デイ』など
で、何度も人類の危機に立ち向かってきたウィル・スミスが
扮する。
物語はほぼ原作の通りだが、科学的な背景は現代化されてい
て、今回のシナリオでは、究極の医療技術として遺伝子組み
替えによって作り出されたウィルスが暴走し、人類を死滅さ
せたことになっている。
さらに、主人公はそのウィルスに免疫があり、当然他にも免
疫保持者はいたはずだが、その人々も死滅してしまった理由
も、ちゃんと説明されているものだ。そして、人類最後の男
となった主人公は、ニューヨークで孤独な時を送っていた。
このニューヨークの風景が見事な映像で提示される。物語で
は人類の死滅は2009年、そして現時点は2012年となっている
が、その3年間で荒廃し切った大都会を主人公が愛犬と共に
さ迷うシーンは、本当に見事に一言に尽きる。
因にこの映像を作り上げたのは、ソニーイメージワークス。
1998年の『GODZILLA』から、2002年、04年、07年の
『スパイダーマン』へと発展させたニューヨークの町並のC
GIが、いよいよ他社作品でも威力を発揮し始めたものだ。
なお、ここで提示された2009年のニューヨークの風景による
と、映画館では“Batman vs.Superman”が上映されていたよ
うだ。またDVDショップには“Green Lantern”や“Teen
Titans”のポスターが掛かっていて、これらの作品は2009年
までには製作されているらしい。
実はこれらの作品は、このサイトの製作ニュースのページを
読んでいただければ判るように、いずれも最近に映画化の情
報が流されたものばかり。しかし、現実にはちょっと難しい
情勢になっている作品もあって、これは製作サイドの夢かな
という感じもしたものだ。その辺の遊び心も楽しかった。
物語の結末に関しては、賛否両論湧きそうだ。実際、原作至
上主義の僕としては、問題にしたいところではあるが、まあ
3度目の映画化ともなれば、このくらいは仕方がないかなと
いう感じではある。少なくとも、原作の精神が活かされてい
る点では、認められる改変というところだろう。

12月10日(月)
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