ID:47635
On the Production
by 井口健二
[460314hit]

■すんドめ、ユゴ、アニー・リーボヴィッツ、アース、ペルセポリス、眠れる美女、ぜんぶフィデルのせい、俺たちフィギュアスケーター
父親役を『息子の部屋』のステファノ・アルコシ、母親役を
ジェラール・ドパルデューの娘のジュリー・ドパルディーが
演じ、この両親に振り回されるアンナ役を500人の中から選
ばれた新星ニナ・ケルヴェルが演じている。

『俺たちフィギュアスケーター』“Blades of Glory”
今年3月の全米公開では2週連続の興行成績第1位に輝いた
作品。
『主人公は僕だった』のウィル・フェレルと、日本では『モ
ンスター・ハウス』『サーフズ・アップ』の声優くらいしか
馴染みがないが、アメリカでは若手人気No.1コメディアンと
言われるジョン・ヘダーの共演で、フィギュアスケートの世
界を描いた爆笑コメディ。
主人公の2人は、フィギュアスケート男子シングルスでライ
ヴァル同士だったが、ある競技会でのライヴァル心を発揮し
すぎたトラブルで、アメリカスケート協会を永久追放されて
しまう。そして、1人は町のスポーツショップのインストラ
クター、もう1人はアイスショウの出演で食いつないでいた
が、彼らのレヴェルの高さはそういったところでも他人と噛
み合わない。それに2人には、いつか競技に復帰して栄光に
輝きたいという野望もあった。
そんなある日、彼らに耳によりな情報がもたらされる。実は
彼らが追放されたのは男子シングルスだけで他の競技には出
場できる。そして、フィギュアスケートペアは、男女のペア
に限定されず、男子同士でも可能ということだ。さらに元コ
ーチが、実はペアスケーティングのコーチを目指したことも
あり、しかも北朝鮮で開発された死と隣り合わせの究極の大
技「アイアン・ロータス」を完成させたいと考えていた。
とまあこれだけの設定を作って、そこにフェレル、ヘダーの
ギャグを満載するのだから、これはもう笑えることは間違い
ない。ただし、男子ペアということでは当然その手のギャグ
が中心になる訳で、これは良識のある人たちには眉を顰たく
なるようなものなのだが、テレビでもオカマが大人気の今の
日本では、結構そのまま受け入れられてしまいそうだ。
なお、主人公たちのスケーティングは特訓の賜物とのことだ
が、当然映像は、ワイアー・ワークやVFXが満載で、普通
ではできないような大技が続出する。ところがその振り付け
は、2002年ソルトレイク冬季五輪の開会・式閉会式の総合演
出も勤めたサラ・カワハラが担当しているのだからこれは本
物。そんな遊び心も満載の作品になっている。
また、画面には、スコット・ハミルトン、ナンシー・ケリガ
ン、ブライアン・ボイダノ、ドロシー・ハミル、サーシャ・
コーエン、それにペギー・フレミングなど、現役から往年の
名選手までが続々登場し、フィギュアファンにも注目(?)
の作品になっている。
アメリカのコメディは、全米興行第1位を記録しても日本で
はなかなか劇場公開されることが少ないが、今回は日本でも
受け入れられやすい題材と判断されたのかな?これを突破口
にもっと公開されることを期待したいものだ。

10月20日(土)
[1]過去を読む
[2]未来を読む
[3]目次へ

[4]エンピツに戻る