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On the Production
by 井口健二
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■第143回
いが、『トロン』が当時の時代の最先端だったことは確かな
もので、その感覚をさらに研ぎ澄ませた作品を期待したいも
のだ。
        *         *
 ドウェイン“ザ・ロック”ジョンスンの出演計画は上でも
報告しているが、その一方で彼の映画界での人気を一躍高め
た『スコーピオン・キング』の続編が、彼抜きで製作される
ことになった。
 と言っても、実はこの計画で“The Scorpion King: Rise
of the Akkadian”と題された作品は、オリジナルよりさら
に以前の時代の物語だそうで、ポリネシアの戦士と彼の長年
の恋人ライラとの関係が描かれるとされている。したがって
映画に登場するのは、若い頃のマサイアスになるもので、そ
のイメージに合う俳優捜しが行われているようだ。
 因に必要な俳優は、ザ・ロックに似ていなくても良いが、
ポリネシア系で髪はブルネットで、ブロンドは不可。また、
ザ・ロックが作り上げたカリスマ性やコメディックな要素、
特に彼の醸し出す暖かさや和やかさのようなものを感じさせ
る人材が求められているそうだ。
 一方、監督には『ハイランダー』、そして『バイオハザー
ド3』を手掛けたラッセル・マルケイが参加しており、アク
ションも重視した映画化がされそうだ。撮影は、10月1日に
南アフリカで開始される。
        *         *
 後は短いニュースを纏めておこう。
 まずは、“Indy 4”の正式題名が、“Indiana Jones and
the Kingdom of the Crystal Skull”になると発表された。
この題名については、第136回では別の題名を紹介していた
が、どうやらこちらが正式のようだ。また、新登場のシーア
・ラブーフの役柄については、当初の情報よりはかなり曖昧
にされており、それが物語の鍵を握っているのか、来年5月
22日の全米公開までは秘密になるようだ。
 “James Bond 22”(正式題名の発表はまだない)につい
て、脚本を手掛けるポール・ハギスから少し情報が漏れてい
る。もちろん全体の物語は極秘のままだが、ハギスの発言に
よると、物語は『カジノ・ロワイヤル』の結末の2分後から
始まるそうだ。そして彼の考えるボンド像は、何より暗殺者
であって、シャワーを浴びている女性がいてもそこに入って
行って抱くようなことはしない。しかし、彼女が「指先に付
いた血が取れない」と言ったら、その血を取ってやるような
男、だそうだ。そしてこれは、イアン・フレミングの原作の
ボンド像に合うものだ、としている。“James Bond 22”の
公開は、来年11月7日となっている。
 最後はかなりショックな情報で、第129回で紹介したロマ
ン・ポランスキー監督が製作費1億3000万ドルを投じるとし
た大作“Pompeii”の製作が中止されることになってしまっ
た。この製作では、来年8月に南イタリアでの大掛かりな撮
影が計画されていたのだが、すでに何度か触れている来年夏
のアメリカ俳優組合及び監督組合のストライキで、6月30日
以降の仕事は一切できないとされ、一方この撮影は天候条件
などとの兼ね合いで時期を動かすことができず、ついに中止
とせざるを得なくなったということだ。まあ、権利を守るた
めとはいえ、すでに数100万ドルを注ぎ込んだ準備も無駄に
なってしまったもので、ポランスキーも「将来に影響が残り
そうだ」と発言するなど、ショックを隠せないようだ。

09月15日(土)
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