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On the Production
by 井口健二
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■ヘアスプレー、ある愛の風景、サーフズ・アップ、チャプター27、風の外側、この道は母へとつづく、FLYBOYS
金持ちの息子や、黒人のボクシングチャンピオン、他にもい
ろいろな過去を背負った連中が集まっていた。
彼らが配属されたのは、ジャン・レノ扮するフランス人司令
の許に作戦を展開するラファイエット航空隊。そこには無愛
想な先任士官もいて「友達少なそう」と噂されるが、事実、
彼の戦友はみな戦死していたのだ。
そんな中で、主人公たちは1カ月の訓練の後、大空の戦場へ
と飛び立って行く。
昔、ディズニーランドというテレビ番組で航空機の歴史を扱
った回があり、そこで第1次大戦当時の航空機乗りは貴族が
多く、戦いも騎士道に則ていたという説明がされていた。
この映画でも、騎士道的な部分とそうでない部分が交錯して
いて、その辺は観ていてなるほどという感じがした。確かに
お互いの顔が観えるほどの接近戦を行っていれば、人間同士
の戦いという感じもするものだ。
第1次大戦の航空機ものは、過去に古典的な名作は多々ある
が、最近はあまり作られていなかった。それは航空機を飛ば
すこと自体の技術的な困難さによるところが大きかったよう
だが、CGIの採用でその問題は解消されつつあるようだ。
登場する飛行機は、フランス側が主に複葉機、ドイツ側が三
葉機といった具合で、見た目から判りやすく描かれている。
そしてこれらの飛行機では、多分1機ずつは実機があるよう
で、特に複葉機は、離陸、着陸なども丁寧に写されていた。
ただし、空中戦や飛行船への攻撃、また敵機による爆撃など
のCGIシーンは、ミニチュア特撮に比べると動きなどはス
ムースな反面、何となく全体に現実感が伴わないのは、観て
いる側に先入観があるためだろうか。
主演は、『スパイダーマン』のジェームズ・フランコ。共演
は、『ザ・リング』のマーティン・ヘンダーソンと、フラン
スの新星ジェニファー・デッカーがヒロインを演じる。
監督は『スティング』の製作も務めたベテランのトニー・ビ
ル、脚本も『スティング』でオスカー受賞のデイヴィッド・
S・ウォード、製作は『インディペンデンス・デイ』などの
ディーン・デブリン。
戦争映画だから戦死者も多々出るが、全体的にはちょっと軽
めに作られた作品で、深刻ぶらずに、比較的気楽に観られる
作品になっている。
09月09日(日)
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