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On the Production
by 井口健二
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■第140回
いて、その映画化権をリドリー&トニーのスコット・フリー
とフォックス2000が、7桁($)の契約金で獲得したことが
発表された。
原作は、400ページの抜粋と概要の提示に対してバランタ
イン社が375万ドルの契約金で出版権を獲得し、2009年夏に
第1巻の“The Passage”が出版される。物語は、南米で発
生した不治の伝染病が、実は吸血鬼を生み出すものであった
という発端で、人類社会が荒廃して行く中での人々の必死の
行動が描かれるとのことだ。物語には、“28 Weeks Later”
や“The Stand”のような要素もあるとされている。
スコット兄弟と吸血鬼というと、トニーの監督デビュー作
の“The Hunger”(ハンガー)がそのテーマを扱っていたも
のだが、今回はどちらが監督を担当することになるのか、現
状では明らかにされていない。いずれにしても映画化は原作
の出版以降になると思われる。
* *
最後は短いニュースをまとめておこう。
ポール・WS・アンダースン監督で進められているリメイ
ク版“Death Race”に、ジェイスン・ステイサムの主演と、
タイリーズ・ギブスン、ジョアン・アレンの共演が発表され
た。1975年ロジャー・コーマンのオリジナルでは、デイヴィ
ッド・キャラダインの主演に、シルヴェスター・スタローン
らが出演していたものだが、今回も面白い顔ぶれになりそう
だ。撮影開始は数週間以内、全米公開は2008年9月26日とさ
れている。
第129回で紹介した“Repo! The Genetic Opera”の映画化
に、お騷わせ娘のパリス・ヒルトンの出演が発表された。こ
の作品では、すでにアレクサ・ヴェガやポール・ソルヴィノ
らの出演も発表されている。作品は、“Saw 4”の監督も担
当しているダレン・リン・ボウスマンが新たな路線で進めて
いるもので、2056年を背景に、人クローンの問題なども扱う
というもの。オペラということでは歌も歌うことになるもの
だが、どうなりますか。なおパリスが演じるのは、ソルヴィ
ノが演じる悪役の娘だそうで、30人ほどの候補の中から選ば
れたということだ。因に、彼女は昨年自己のアルバムも出し
ている。
“Spider-Man 4”について、監督のサム・ライミとソニー
との間の会談が行われ、まず脚本家を選考するということで
話し合いがまとまったそうだ。その後のライミの発言では、
「作品を応援することでの自分の立場は変わらない。監督を
するかどうかは判らないが、脚本家が見つかって、その人と
共同作業が出来るようであれば、考えることになるかも知れ
ない」とのことで、まずは“4”の製作は確定、後は脚本家
次第となりそうだ。ライミもソニー側も、新しい方向性が必
要ということでは意見は一致しているようで、新展開が期待
される。
本当の最後は残念な情報で、カプコンとパラマウントで進
められている続編“Silent Hill 2”の計画から、脚本家の
ロジャー・アヴェリーも離脱を公表した。この計画ではオリ
ジナルを監督したクリストフ・ガンスも、創造上の意見の相
違を理由に離脱を表明しており、今回アヴェリーも「クリス
トフがやらないなら、僕も…」という結論になったようだ。
これで続編は、監督・脚本家のいない状態で企画のみが存在
することになった。
08月01日(水)
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