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On the Production
by 井口健二
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■デス・プルーフ、プラネット・テラー、マザー・テレサ、ファイアー・ドッグ、純愛、ナルコ、たとえ世界が終わっても
脚本と監督は、テレビの深夜枠ドラマなどを手掛ける野口照
夫。テレビ出身で、特に深夜枠の監督は、独り善がりな作品
が多くて今まではあまり良い印象を持っていなかったが、こ
の作品にはそういうこともなく、映画として普通に観ること
が出来た。
ただし、正直に言って見終って何か物足りない感じがした。
その原因を考えたのだが、管理人が死神であるのか否かは別
段曖昧で良いにしても、主人公の女性の設定が今いち明確で
ないのが気になったところだ。
確かに映画の中では、自分が母親を死に至らしめたのと同じ
病気になり、母親と同じように若死すると考えているようす
なのだが、その経緯がはっきりしない。具体的な病名を出す
のは問題が在るのかも知れないが、もう少しその辺の説明が
欲しかったものだ。
また、最初の集団自殺のドタバタ劇が、結局伏線になってい
るとは思うのだが、どうもこの部分の演出が駄作の日本映画
を見せられている感じで退いてしまう感じがした。ドタバタ
も映画全体で意味がない訳ではないのだが、やはりここには
何か一工夫が欲しいと感じたところだ。
なお本作は、監督が長年温めてきた「時をめぐる三部作」の
一作なのだそうで、この水準で作られるのなら、他の2作も
早く見せてもらいたいと思ったものだ。

07月31日(火)
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