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On the Production
by 井口健二
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■第138回
RKO映画のリメイクでは、すでに『猿人ジョーヤング』
など大作の製作が実現しているが、今回発表されたのはもっ
とコアな、正にジャンル映画と呼びたくなる作品だ。
発表されたのは、製作年度順に1943年の“I Walked With
a Zombie”(ヴードゥー系ゾンビ物では最高作)、1945年の
“The Body Snatcher”(ロバート・ワイズ監督、ベラ・ル
ゴシ、ボリス・カーロフ共演)、1946年の“Bedlam”(カー
ロフ主演)で、後1本は選考中ということだ。因に発表され
た3本は、いずれもガイドブックでは星3つ以上を獲得する
秀作となっている。
『ソウ』シリーズのヒットは、毎回ほぼ保障されている感
じのツイステッドだが、それ以外の作品はなかなか思うよう
に行かないのが実情のようで、今回の発表はその中での新し
い試みとしては評価したい。ただしこの計画では、最初に企
画ありきということになる訳で、後は、このリメイクを実現
する人材をどのように確保するがポイントになる。続報を待
ちたいところだ。
* *
最後は続報をまとめておこう。
まずは、2005年12月の第101回で紹介したレッド・ワゴン
(ソニー)製作によるエリザベス・コストヴァ原作の吸血鬼
物“The Historian”の脚色に、ブラッド・ケイレブ・ケイ
ンという脚本家が発表された。このケインという人物、実は
以前は1997年の『スターシップ・トゥルーパーズ』などにも
出ていた子役ということで、現在は脚本家に転じて“These
City Walls”という作品や、リチャード・プライヤーの伝記
映画“Live”の脚本なども手掛けているそうだ。
当初の計画では『ネバーランド』のデイヴィッド・マギー
が担当していたものだが、製作者の言によると、「説得力の
ある脚本家が必要になった」とのことで、伝記映画を手掛け
るような脚本家なら任せられるということなのかな。前の脚
本家も伝記映画でオスカー候補になっていたものだが。
次は、『ナルニア国物語』の第3章“The Voyage of the
Dawn Treader”の監督に、1999年『007/ワールド・イズ
・ノット・イナフ』を手掛けたマイクル・アプテッドの起用
が発表された。また、第2章の“Prince Caspian”まで監督
するアンドリュー・アダムスンは、第3章では製作に転じる
ことになっている。なお第2章は2008年に公開予定で、第3
章は2008年1月に撮影開始、2009年5月1日の公開となって
おり、スケジュール的に2作連続の監督は不可能になったも
のと思われる。
一方、2008年11月7日公開が決定されている“Bond 22”
の監督には、『ネバーランド』『主人公は僕だった』などの
マーク・フォースターの起用が発表された。アクション映画
にこの監督名はちょっと意外な感じもするが、監督本人は、
「常に別の種類の物語を描きたいと思っている。ボンドはず
っとファンだったし、このチャレンジには興奮している」と
意欲満々なようだ。ネール・パーヴィス、ロバート・ウェイ
ドの脚本から、フォースターとポール・ハギスによるリライ
トは直ちに始められる予定で、ダニエル・クレイグが2度目
のボンドを演じる撮影は、12月パインウッドで開始される。
07月01日(日)
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