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On the Production
by 井口健二
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■第137回
イア、レイヴェンといった新キャラクターも登場し、中でも
ロビンはナイトウィングと名前を変えて、単なるスピンオフ
ではない新たなヒーローとしての活躍も見せているようだ。
 そして今回の映画化の計画では、まだ詳細は発表されてい
ないものの、ナイトウィングを中心にした物語にはなりそう
だということで、『バットマン・ビギンズ』のシリーズにロ
ビンが登場しないうちに、一足お先の登場となるかどうか、
興味の湧くところだ。製作は、アキヴァ・ゴールズマンが担
当する。
 第130回で紹介した本家“Justice League of America”の
計画が、その後どうなっているかは不明だが、それよりは実
現の可能性が高そうだ。
        *         *
 もう1本ワーナーの計画で、2002年6月の第17回などで紹
介した“Ender's Game”はその後どうなっているか判らない
が、同作の原作者のオルスン・スコット・カードが昨年発表
した“Empire”という新作の映画化権もワーナーが獲得し、
ジョール・シルヴァの製作で進めることが発表された。
 物語は、大統領が暗殺され、副大統領がアメリカを内戦に
導こうとしていると噂される近未来の合衆国を舞台に、国家
を窮状を救うべう立ち上がった特殊部隊の活躍を描くという
もので、ちょっと右寄りな感じがしないでもない。これに対
して脚色を担当するオーレン・ムーヴァーマンは、「前提は
娯楽作品としてのバランスだ。暗いものや論争の的になるよ
うなものにはしない」としており、それなりに気を使った映
画化を行うことにはなっているようだ。
 因に、ムーヴァーマンの最新作はボブ・ディランを描いた
“I'm Not There”を共同で執筆した他、フィル・カウフマ
ン監督が『北京の55日』のニコラス・レイ監督について描く
“Interrupted”、重量級チャンピオン=ジャック・ジョン
スンを描く“The Big Blow”などを手掛けており、結構社会
派という感じの作品が並んでいる。その脚本家がSF作品と
いうのも興味を引かれるところだ。
        *         *
 最後に、記者会見の報告にも登場したフランク・ミラーの
情報で、『シン・シティ』の続編についてのインタヴューが
報告された。
 それによると、続編は2本計画されていて“Sin City 2”
は“A Dime to Kill For”、“3”は“Hell and Back”とい
う作品を原作にしたものになっているということだ。そして
ミラー自身は、「あのスタッフたちや素晴らしいキャストと
また仕事をしたい」ということだが、「それが実現するまで
には、自分には理解できない、理解したいとも思わない問題
があるようだ」として、製作の遅れを嘆いていた。
 その問題が何であるかについて、具体的な報告はされてい
なかったが、前作製作時には2人の共同監督が問題にされた
し、いろいろ難関はあるもののようだ。
 それに、前回報告したように、共同監督のロベルト・ロド
リゲスには“Barbarella”の計画も急浮上している訳で、ま
だまだ“Sin City”の前途は多難なようだ。

 今回は、更新が大幅に遅れて申し訳ありませんでした。お
詫びいたします。

06月15日(金)
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