ID:47635
On the Production
by 井口健二
[460333hit]

■第127回
 そして発表によると、2009年に第3巻の“Arthur and the
Vengeance of Malthazar”、10年に第4巻の“Arthur and
the War of Two Worlds”を公開するということだが、実は
この発表は、ベッソン自身がフランスの雑誌で4ページの広
告にして行ったということだ。
 なおベッソンは、一時“Arthur and the Invisibles”を
最後の監督作品にするという発言もしていたようだが、今回
の動きでその発言は撤回されたと見る向きが多いようだ。
        *         *
 最後に、昨年末に日本のマスコミでも報道されて話題を呼
んだ元KGBエージェントの毒殺事件について、NYタイム
ズのロンドン支局長が執筆した“Sasha's Story: The Life
and Death of a Russian Spy”という本の映画化権を、ワー
ナーとジョニー・デップ、それに製作者のグラハム・キング
が獲得し、デップの主演作として進めることが報道された。
 ところがその翌日、今度はコロムビアとマイクル・マン監
督が、こちらは元エージェントの未亡人も執筆者に加わって
いるという“Death of a Dissident”なる本の映画化権を獲
得、マン監督作品として進めることが発表されて、競作とな
る可能性が出てきている。
 実は、後者の本に関しては、コロムビアだけでなく、ユニ
ヴァーサル、パラマウント、それにワーナーも加わって争奪
戦になっていたようだが、コロムビアが手付け金50万ドル、
最終的には150万ドルという契約金額を提示。恐らく合体し
て映画化を考えていたワーナーの思惑を挫たということだ。
しかも、ワーナーが獲得した本の出版予定は今年の後半とな
っているのに対して、コロムビアが獲得した本は5月の出版
予定ということで、このままでは、ワーナーが遅れを取るの
は必至というものだ。
 また、マン監督は以前、最終的にはマーティン・スコセッ
シが監督した“The Aviator”の計画を進めていた際には、
クリス・ノーラン監督、ジム・キャリー主演で予定されてい
た競合作を中止に追い込んだ経験があるということだが、実
はその時は、製作者のキングが協力者だったというもので、
今回はお互いになかなか手強い相手となりそうだ。
 ただし、内容的にワーナーが獲得した本のコンセプトは、
イギリスの対テロ機関が捜査を主導した冷戦後に起きた最も
ミステリアスで複雑な事件とされており、事件そのものが中
心になるようだ。一方、コロムビアが獲得した作品は、未亡
人が参加していることから、元エージェントの生涯が描かれ
ているようで、多少違いはあることになる。事件の実録もの
は、映画化が早いに越したことはないが、この状況ではワー
ナーは多少じっくり構えた方が良いようにも思える。
 なお、そろそろ“Sweeney Todd”の撮影が始まるデップの
スケジュールでは、10月から懸案の“The Shantaram”が撮
影開始との情報もあり、できることならKGB事件はマン監
督に任せて、デップにはこちらの計画に専念してもらいたい
と思うところだが…。実は“The Shantaram”も、降板した
ピーター・ウェア監督の後任がまだ決まっていないようで、
物事はなかなかすんなりとは運ばないものだ。

01月15日(月)
[1]過去を読む
[2]未来を読む
[3]目次へ

[4]エンピツに戻る