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On the Production
by 井口健二
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■キトキト!、モンスターハウス3D、NARA、Saru、ボッスン・ナップ、幸せのちから、クロッシング・ブリッジ、パラダイス・ナウ
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※このページでは、試写で見せてもらった映画の中から、※
※僕が気に入った作品のみを紹介しています。     ※
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『キトキト!』
題名の「キトキト」とは、富山弁で「生きがいい」という意
味だそうだ。
富山県高岡市。日本3大大仏の一つと呼ばれる高岡大仏が見
下ろすこの町で、夫に先立たれた斎藤智子は、女手一つで娘
と息子を育ててきた。そのため彼女は、ヤクルトレディから
タクシー運転手まであらゆる職につき、付いた仇名はスーパ
ー智子ちゃん。
しかし、親の心子知らずで、娘は3年前の高校生の時に家出
・駆け落ちし、息子も高校をドロップアウト→暴走族、そし
て、一と旗揚げに東京へ出て行ってしまう。その息子は、新
宿歌舞伎町でホストの道を歩み始めるが…
ちょうど同じ年頃の娘と息子のいる身としては、いろいろ想
いを巡らしてしまう作品で、その点では納得もできたし、幸
い自分はまだ健在だから一概に比較は出来ないが、こんなこ
ともあるかなあ、という感じの作品だ。
息子がホストになってしまうというのは、意外と言えば意外
な展開だが、これも昨年紹介した『ウォーターズ』などを観
ていれば、最近の若者文化としては半ば定着しているように
も思えるものだし、彼がそれなりに自覚を持っている点には
好感も持てた。
それに、そんな娘や息子の立場を尊重して、それをしっかり
と受けとめようとする母親の姿には…これがかなり過激なと
ころが映画の見所にもなるのだが…結構填って観てしまった
ところもあるものだ。
出演は、ナレーターでもある息子役に、『夜のピクニック』
の石田卓也、娘役に『バックダンサーズ』の平山あや、そし
て母親役を大竹しのぶ。他に、井川比佐志、尾上寛之、伊藤
歩、光石研、鈴木蘭々らが共演している。
実は、物語に登場する一つのエピソードが、我が家でも家内
がしょっちゅう言っていることと同じで、しかもそれが物語
の締めにもなっている。そんなところにも、共感を持ってし
まったかもしれない。僕にとって、新年最初に観る映画には
適当な作品だったようだ。

『モンスターハウス3D』“Monster House”
去年10月に一度紹介しているし、すでに13日から公開も始ま
っているが、公開直前に3D版の試写が行われたので改めて
紹介する。
ドルビー社開発のリアルDシステムによる3D上映は、一昨
年の『チキン・リトル』、昨年の『ナイトメア・ビフォア・
クリスマス』に続いて3本目となるが、ソニー=コロムビア
製作の本作は、初めてディズニー以外の作品となるものだ。
ただし、本作の映像製作と3D化を行ったソニー・イメージ
ワークスは、ワーナー配給でImax3Dによる公開の行われた
『ポーラー・エクスプレス』にも関っており、僕は『ポーラ
ー…』の3D版は見逃してしまったが、その評判は高いもの
だった。
それで本作について言えば、恐らく最初から3D化を考慮し
て映像も計算されていたのだろうが、巻頭の落ち葉の舞う描
写から、後半の暴れ回る木立ちやモンスター化した家まで、
その迫力は満点以上だったと言える。
『ナイトメア…』に関しては、僕はオリジナルを観ていた時
から3Dを認識していた感じがあって、それが3D化されて
もある意味予想通りという感じがしたものだった。しかし本
作の3Dは、2D版とは一味も二味も違う感じがした。
内容については前回紹介したので繰り返さないが、2度目を
観ていると、物語前半での微妙なキャラクターの表現なども
良く判り、それも良い感じがしたものだ。

『NARA:奈良美智との旅の記録』
画家の奈良美智が、昨年故郷の弘前で行った大規模な展覧会
「AtoZ」を開くまでの軌跡を追ったドキュメンタリー。
奈良の絵は以前から知っていたが、実は彼の描く、おかっぱ
頭で三白眼、唇をぎゅっと結んだ女子のキャラクターはちょ
っと陰険そうで、僕は正直に言ってあまり好きなものではな

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01月19日(金)
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