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On the Production
by 井口健二
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■東京国際映画祭2006コンペティションその1
チナの村。その場所に立てられた精神病院。そこにはホロコ
ーストで精神を病んだユダヤ人の患者たちが収容されていた
が、治療の目的で村を発掘する作業に従事した患者の前に、
パレスチナ人の霊が現れ始める。
主人公は、アウシュビッツを生き延びてアメリカに渡り成功
した音楽家の息子。彼は志願してイスラエルの兵士となり、
パレスチナの街を警備中に障害を受けて、その精神病院に収
容されている。しかし心に受けた傷は深く、なかなか回復の
目処が立っていない。
そんな彼に、薬物により記憶を選択的にブロックし、精神的
な障害を取り除く治療法が提案される。この知らせに父親も
来院して治療が開始されるのだが、その彼の前にパレスチナ
人の霊が現れ、彼の負った傷の真実が明らかにされる。
この物語に、帰国後のニューヨークでの主人公とパレスチナ
女性との交流などが織り込まれ、時空を超えた物語が繰り広
げられる。
正直に言ってかなり複雑な物語で、物語の中でもどこまでが
真実でどこからが主人公の心の中なのかも判然としない。そ
して物語は、題名にあるように「許し」を描いたものという
のだが、それも何だかユダヤ側からの一方的な主張のような
感じで、釈然としないものだ。
少なくとも映画は、パレスチナ人に対して一方的に「許せ」
と言っているだけで、他方のドイツ人に対して「許す」とは
一言も言っていないもので、それにも納得できなかった。
11月05日(日)
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