ID:47635
On the Production
by 井口健二
[460314hit]

■第111回
立したものだったようだが、その背景はコナンと同じ時代に
設定されていた。そしてこのキャラクターは、マーヴル・コ
ミックスで1970年にスタートした“Conan the Barbarian”
のシリーズで73年に登場、その後すぐに独立したシリーズと
なって人気を博したものだ。
 そこで以前の映画化でも、シュワルツェネッガーの共演と
なっていたものだが、ところがどうもキャラクター権の問題
があったらしく、映画に登場したのはコナンではなく、別の
蛮族の王ということになっていた。そしてその影響があった
のかどうか、映画は興行的にもパッとせず、あまり話題にも
ならなかった。しかし当時は珍しい女性中心のアクション映
画(敵役もサンダール・バーグマン扮する女性剣士)として
その失敗を惜しむ声もあった。
 そして今回の製作発表に当って、ミレニアムのトップは、
「最初の映画化は良いものではなかった。それが今回リメイ
クを行う最大の理由だ。このキャラクターは素晴らしいもの
だし、大きなブランドになり得る」として、シリーズ化にも
期待を寄せているようだ。また、ヴィデオゲームなどへの展
開も念頭に置いて映画化が進められる。なお製作費は2500万
ドルが予定されているようだ。
        *         *
 最後は、その他の短いニュースを紹介しておこう。
 21世紀になってからのNYタイムズ・ベストセラーリスト
に載った3人のアフリカ系アメリカ人女流作家の1人ゼイン
(名前は一語で表記される)が、“Lady Sings the Blues”
(ビリー・ホリデー物語)などの脚本家スザンヌ・デ=パッ
セとの共同製作で自作を映画化し、その作品をライオンズゲ
ートが公開する契約が発表されている。
 題名は“Addicted”。ゼインの他の作品と同様、黒人女性
が人種や性の差別と戦いながら、成功を掴むまでを描いたも
ので、その間のいろいろな出来事が描かれる。因にゼインの
作品は、最初はその内容の過激さから出版社に拒否され、や
むなく2000年に自ら出版社を設立して自費出版したものが全
米の読者をつかみ、現在その出版社は大手に買収されたとい
うことで、今回はその買収で得た資金を基にプロダクション
を設立したようだ。
 なお原作には、今秋全米55都市を巡業する舞台化の計画も
進んでいるということだ。
        *         *
 『ダ・ヴィンチ・コード』のロン・ハワード監督が、年内
に撮影を開始する次回作の主人公に娘のブライス・ダラス・
ハワードの起用を希望している。
 作品は“The Look of Real”という題名で、ブロードウェ
イで上演されている“Wicked”などのウィニー・ホルツマン
のオリジナル脚本の映画化。内容は、衣料品会社に勤める若
い女性たちのグループを巡るアンサンブル劇だそうだ。なお
現在は、脚本に対するハワードと製作者ブライアン・グレイ
ザーのコメントが返信され、ホルツマンがリライト中とされ
ている。
 因にブライスは、以前から父親の作品には小さい役で出て
いたが、『ヴィレッジ』で本格的にデビューしてからは初め
ての出演になる。また彼女の新作では、“The Lady in the
Water”が今年の夏に公開される他、スーパーヒーローの新
たな恋人役を演じる“Spider-Man 3”は来年5月の公開予定
となっている。

05月15日(月)
[1]過去を読む
[2]未来を読む
[3]目次へ

[4]エンピツに戻る