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On the Production
by 井口健二
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■第108回
くホラー・スリラーということで、夏至の夜というのは元々
不思議な現象が起き易いと言われているから、それなりのこ
とが起こりそうだ。なお撮影は、当初は去年の秋に予定され
ていたものだったが、ハリケーンの影響で遅らされ、ようや
く可能となったもののようだ。
主演は、ワーナー傘下インディペンデンスから近日公開の
“Chaos Theory”などに出演しているエリザベス・ハーノイ
ス。それに、2002年の『ロード・トゥ・パーディション』で
トム・ハンクスの息子に扮したタイラー・ホークリンが共演
している。製作は、『ロード・オブ・ウォー』『プルーフ・
オブ・マイ・ライフ』などを手掛けるエンドゲーム。
因に、エンドゲーム社は“Stay Alive”などホラー映画の
製作者が個人資産で設立した製作会社ということで、確かに
この他にもゾンビ物などの計画も発表されているが、上に書
いた2作とはちょっとギャップを感じるところだ。
また、“The Blair Witch…”で共同監督、脚本を手掛け
たもう一人のエド・サンチェスも、ユニヴァーサル傘下フォ
ーカス・フューチャーズのジャンル・レーヴェル=ローグ・
ピクチャーズで、“Altered”という作品がポストプロダク
ション中になっている。内容は、恐怖の夜を体験する男たち
の物語ということで、2人は別れても同じような作品を作っ
ているようだ。
* *
最後は、続編の話題を2本まとめて紹介しておこう。
1本目は、昨年6月15日付の第98回で紹介した映画化シリ
ーズの第3作“Asterix aux Jeux Olympiques”(Asterix at
the Olympic Games)の製作が、スペインの配給会社トライ
ピクチャーズの参加で行われることになった。
この計画では、前回は製作費を米ドル換算4000万ドルと紹
介したものだが、その後、これがヨーロッパ映画史上最高と
言われる9520万ドルに急騰し、結局フランスだけでは賄い切
れなくなったようだ。そこでスペインでNo.1の配給会社とい
われるトライ社の参加が必要になったもので、同社は製作費
の拠出と引き換えに、スペイン国内の全配給収入と海外配給
収入の一部も得ることになる。
監督は、製作者でもあるトーマス・ラングランとフレデリ
ック・フォレスティアの共同で行われ、出演はオベリスク役
のジェラール・ドパルドューと、今回のアステリックス役は
クロヴィス・コーニラックという俳優が演じることになって
いる。なお、前回報告したジャン・クロード・ヴァン=ダム
とアラン・ドロンの出演は今回は紹介されていなかった。撮
影は6月18日から20週間の予定で行われるということだ。
2本目は、2004年に日本公開されたトニー・ジャー主演の
タイ製アクション映画“Ong bak”(マッハ!)の続編“Ong
bak 2”に関し、アジア、イギリスを除く世界配給権をTW
Cが獲得したことが発表された。因にTWCは、ジャーの新
作『トム・ヤム・クン』のアメリカ配給も手掛けており、そ
の流れで今回も決まったようだ。
撮影は今秋に予定され、監督には前作の原案とアクション
監督を担当したパンナー・リットグライに要請が行われてい
る。また、ジャーには今回はアクション監督の肩書きも付く
ことになるということだ。物語は、旅する若者のジャーが、
その旅の出来事の中で、格闘技に関するスキルと内面的な意
味を学んで行くというもの。要するに武者修行を行う若者を
描く作品になりそうだ。
04月01日(土)
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