ID:47635
On the Production
by 井口健二
[460289hit]
■第107回
砂嵐の発生を食い止めるために、遠隔の地の王国を舞台に活
躍するアクション・アドネンチャー。元々は、昨年の4月に
ブラッカイマーが、7桁($)の契約金でヴィデオゲーム原
作の映画化権を獲得していたものだ。
2本目は、“Unnatural History”の題名で、自然史博物
館の中に閉じ込められた一家が、夜になって生命を取り戻し
たいろいろな時代の生物たちとのサヴァイヴァルを繰り広げ
るというアクションドラマ。この作品はナチマノフのオリジ
ナルらしく、すでに脚本は書き上げられているようだ。
そして3本目は、“Liberty”という題名の大型アクショ
ン。物語は、強力な電磁波の発生によって全ての都市基盤が
破壊され、1940年代から50年代の生活に逆戻りした世界を描
いたもので、その時代の技術だけで外敵の侵略からアメリカ
を守ろうとする人々の姿を描くもの。この作品には、エリク
ソン・コアという監督の名前も発表されている。
以上の3本だが、中には権利獲得の発表から製作が滞って
いたものもあり、これで一気に実現に向かって進むことが期
待されているようだ。
* *
リメイクの情報で、『Vフォー・ヴェンデッタ』のアメリ
カ公開が始まったワーナーから、同作のジョール・シルヴァ
製作で1967年公開のロバート・オルドリッジ監督作品“The
Dirty Dozen”(特攻大作戦)を現代版にする計画が発表さ
れた。
オリジナルは、リー・マーヴィン、アーネスト・ボーグナ
イン、ジム・ブラウン、ジョン・カサヴェテス、ロバート・
ライアン、チャールズ・ブロンスン、ドナルド・サザーラン
ド、ジョージ・ケネディ、テリー・サヴァラス、ラルフ・ミ
ーカー、リチャード・ジャッケル、クリント・ウォーカー、
トリニ・ロペスという曲者揃いの配役で、第2次大戦を背景
に、殺人やその他の罪で捕えられた12人の囚人が、無罪放免
を報奨にほとんど不可能な作戦に挑むというお話。
まあ、何しろこの顔ぶれが魅力で興行も大ヒットを記録し
た作品だ。そして1980年代には、主なキャストが再結集して
3本のテレビムーヴィと、キャストを代えて短期間のテレビ
シリーズも作られている。
そして今回は、この作品のリメイクを、『コン・エアー』
のスコット・ローセンバーグと、“Alias”のアンドレ・ネ
メック、ジョッシュ・アップルバウムのトリオに依頼して現
代版にした物語を構築することになったものだ。なおスコッ
トは、名作のリメイクには気乗りがしなかったようだが、今
回は現代版にするということで納得したということだ。また
3人は、1988年に“Let's Get Harry”という同様の作戦物
の脚本も執筆しており、この脚本の映画化は実現しなかった
ようだが、その脚本を読んだ共同製作者のスーザン・ダウニ
ーが彼らの起用を決めたということだ。
因にオリジナルの映画の脚本には、E・M・ネイザンスン
の原作があるもので、今回はその原作を現代化するというこ
とでは、スコットも納得ができるものになりそうだ。
製作はワーナーとヴィレッジ・ロードショウの共同で、ギ
リシャ、シンガポール、ニュージーランド、オーストラリア
を除く地域はワーナーが配給する。
[3月20日発売のキネマ旬報に、少し長文の記事を書きまし
たので、よろしければ見てください。]
03月15日(水)
[1]過去を読む
[2]未来を読む
[3]目次へ
[4]エンピツに戻る