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On the Production
by 井口健二
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■第102回
この権利をワーナーが獲得したもので、同社では新たな脚
本家と監督を起用して実現に向かうとしている。ただし、現
時点ではパラマウントは共同製作に加わる権利を留保してい
るようだ。なお、製作はラリー・ゴードンとロイド・レヴィ
ンが担当している。
それにしても、『スーパーマン』や『バットマン』などの
DCコミックスのキャラクターはワーナーが独占しているも
のと思っていたが、そうでないものもあったようだ。
* *
ディズニーの親会社でもあるブエナ・ヴィスタの資本で、
中国映画の製作が行われることになった。
この計画は、“The Secret of the Magic Gourd”という
英題名が付けられているもので、チャン・ティアン・イーと
いう作家の児童向けの作品に基づいているようだ。内容は、
現代を背景にしたアクションもので特殊効果も多用されると
している。そしてこの特殊効果を、『カンフー・ハッスル』
などを手掛ける香港のセントロ・ディジタルが担当するとい
うことだ。なお、撮影は昨年10月に開始されていて、年明け
早々に完了の予定になっている。
因に、ディズニーの中国関連作品では、2004年11月15日付
の第75回で“Snow and the Seven”という作品を紹介してい
るが、この作品は当時のミラマックスで進められたものの、
現在はブエナ・ヴィスタの担当で計画段階となっている。
この他ブエナ・ヴィスタでは、イギリスで2003年の東京国
際映画祭に出品された『カレンダー・ガール』の製作を手掛
けたり、ラテンアメリカにも共同出資による製作拠点を置く
など、国際化はかなり進んでいるようで、その次の段階とし
てアジアへの進出が始められたということのようだ。
* *
最後はドイツから、“Night of the Living Dead”の3D
リメイクの計画が報告されている。
この計画は、ドイツでも新興のラックス・ディジタル・ピ
クチャーズというところが進めているもので、脚本はロバー
ト・ヴァルディングという人が担当している。なお製作者の
言葉によると、作品は「ジョージ・A・ロメロの1968年作品
に敬意を表しているが、同作の題名は一般化しているので、
特に権利の獲得などはしていない」とのことだ。それで本当
に良いのだろうかという感じだが、まあ作られてしまったら
仕方がないというところなのだろうか。
因にこの会社は、2004年に設立されてドイツ国内の映画に
興味を持つ資本家の出資を受けているということだが、実際
に製作計画が発表されたのは今回が初めてのようで、一緒に
同じヴァルディングの脚本による“Earth Creature”という
SF作品と、デイヴィッド・シュモエラーという脚本家によ
る“Summer Love”という1970年代のキューバを舞台にした
青春映画の計画も発表している。
また製作費には1本当り200万ドルが計上されているが、
これは500万ドルまでは引き上げ可能だそうだ。それと社名
にディジタルとあるのは、必要なら使うこともできるという
意味で、特にその種の組織が背景にあるということではない
ようだ。それにしても、本当にこんなことで良いのかという
感じだが、一応はVariety紙にも記事が載っているので、ま
あ少し先行きは見てみたいというところだ。
では、今年もよろしくお願いいたします。
01月01日(日)
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